時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

五輪の最中でも北朝鮮バッシング

2018-02-13 23:51:57 | 北朝鮮



平昌オリンピック開会式で実現した南北和解のセレモニーは
世界中から喝さいを持って受け入れられた。日本を除いては。


NHKは、開会式中継ではこの式を歓迎する態度を示したが、
その裏では上のように北朝鮮の軟化は裏があるのだと扇動している。

インターネット上の極右論者ならいざ知らず、
国有メディアがイエロー・ジャーナリズムに奔走する姿は
民主主義国家でも類を見ないのではないだろうか?



仮に韓米同盟の分断が狙いだというのが事実だとしても、
それがなぜ悪いのかについてメディアは何も語らない。


韓米同盟は大事なのだ。分断してはならないのだ。
北朝鮮と和解してはならないのだ。あってはならないのだ。


以上の教義を反芻して憎悪を込めて祈りを捧げ、
なぜ大事なのか、なぜ分断してはならないのかを考えようとしない様は、
あたかもカルト教団の信者のようである。


歴史的には朝鮮半島こそ 米ソによって分断された地域だ

これに関して北朝鮮は一貫して南北の統一、それも米ロが干渉しない形による
各自の政治体制を維持しながらの合併的統一を提言してきた。


軍事演習の中断および平和条約の締結を伴う核開発の中断。
これも10年以上、幾十、幾百も叫ばれてきたものである。
(この提言を中露はダブルフリーズと名付け支持している。)

よって、北朝鮮が軟化したというのは正確ではない。
正しくは韓国が軟化したのである。

そして韓国の「ほほえみ外交」は 経済制裁の解除や在韓米軍の撤退を意味するものではない。

依然、北朝鮮は医薬品や食料品、生活用具、スポーツ用品といった
非軍事的な製品すら経済制裁によって購入できない状態にある。

(このような兵糧攻めを日本政府および日本メディアは当然視し、  
 圧力を弱めるなと絶叫する)

そのため、今回の和解は本格的なものではなく、
今後に備えての下ごしらえといった程度におさえるのが妥当だろう。

実際、北朝鮮も核開発を中断したわけではない。
朝韓両国、そして米国もそれを前提とした上で
着地地点をどこにするかで駆け引きを行っている中、
土俵の外側から「圧力をゆるめるなぁっ!」と老人が奇声を発している。

これが現実である。


それにしても、アメリカも含めて雪解けに積極的であるなか、
日本政府および日本メディアの憎悪に満ちた攻勢は異常に感じられる。


先ほど、NHKが金正男暗殺事件から1年が経過したことを伝え、
新事実として北朝鮮による正男殺害の証言が得られたかのような報道を行っていた。

実際には中国の幹部が正男を後継者にしようとする旨を
張成沢が話していたというだけにすぎず、北朝鮮の関与を裏付けるものではなかった。

正男暗殺事件については

実行犯であるアジア人女性が北朝鮮の関与を証言していない、
容疑者として逮捕された北朝鮮国籍の男性が証拠不十分で釈放される、
猛毒であるVXを手に塗れば暗殺者も死亡する、
そもそも北朝鮮犯行説を捜査に関わっていない韓国の工作機関が主張している
等々の状態で、

一言で言えば
北朝鮮の仕業に違いない
なぜなら兄弟仲が悪かったからだ


金正恩には動機がある。
だから犯人だ。

というレベルの報道を2か月以上にかけて
連日、テレビジョンや新聞、パソコン画面に垂れ流しにするものであった。

これは「ニュース」と呼ばれていたが、
私に言わせれば「詐欺」以外の何物でもない。



物的証拠どころか状況証拠ですらない証言を理由に
正男殺害の犯人を北朝鮮と断定し、バッシングを意固地に続けるNHK。

NHKのみならず、全国紙も民放も同じスタイルだ。
そして世論調査すら雪解けのムードを否定的にみなしている。


実に不思議な現象だ。


これは檻に手を突っ込み、熊の鼻をペチペチと叩く行為に等しいのだが、
彼らはそのような愚行を続けることで熊にかじられる可能性が出てくることを考えないのだろうか?


北朝鮮は日本国が改憲・軍拡するものなら
敵国とみなし、非常時には攻撃を加えると明言している。

これに対して日本政府は
「北朝鮮は危険だぁ!改憲だぁ!軍拡だぁ!」と答えている。

意味がさっぱりわからないのだが、
メディアも声をそろえて「そうだ、そうだぁ!」と連呼している。


火の用心と言いながら
ガソリンに火をつけるようなものだ。



良い加減、こういう自殺行為に対して
どこかの誰かが批判すべきではないだろうか?

残念ながら、岩波書店も週刊金曜日もそうした批判はせず、
個人で行っているサイトも声が小さすぎて大衆には声が届かない。

とはいえ、書くという行為自体には意味があると思う。


10月に記事を書きあげて以降、3か月半、 多忙を理由に執筆を中断していた。

だが、この間に日米韓侵略トリオの経済的軍事的脅迫は拍車がかかり、
それを報道機関が手放しに礼賛、支持するというナチ政権さながらの状況になってきた。

今思えば、あの時にこそ声高に「否」と叫ぶべきだった気がする。

今年は今年で多忙極まる気がしてならないが、
それでも北朝鮮関連の記事だけは書き続けるつもりである。
意味はないのかもしれないが、それでも書かなければいけない気がする。



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