時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

アメリカは2002年から北朝鮮への核使用を検討している

2016-01-11 00:08:54 | 北朝鮮
記事のタイトル通りである。
2002年1月にアメリカ国防省は「核戦力体制見直し」案を議会に提出した。
この案では、通常兵器と同じく核兵器も攻撃用として使用できることを提案している。

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ブッシュ政権が、北朝鮮を含む
ロシア、中国、イラク、イラン、リビア、シリアなど
少なくとも7か国を対象とした核攻撃のシナリオ策定と、
限定的な核攻撃を想定した小型戦術用核兵器の開発を軍に指示した

機密文書が暴露されました。

機密文書は、3月10日付ロサンゼルス・タイムス、
ニューヨーク・タイムスなどによって暴露されたもので、1月に国防総省が連邦議会へ送付した
8年ぶりの「核戦略体制見直し報告」(NPR)の非公開部分です。

ラムズフェルド国防長官が署名し、戦略軍が核戦争計画の準備のために活用するもので、
議会には概要発表前日の1月8日に提出されました。

早速、攻撃対象とされた政府から、あるいは全世界の良識ある国々や
人々からの強い反発を招いています。また世界中の反戦・平和団体も抗議を集中しています。

NPRは、核戦略の目的を、冷戦時の“抑止力”から、テロリストや「ごろつき国家」との戦争で
“実際に使用する攻撃力”へと転換することを最大の眼目にしています。

非核保有国であるこれらの国への核使用を
作戦のオプションに加え、作戦計画の策定を指示したのです。

確かに、今までアメリカは非核保有国を先制核攻撃する権利を放棄したことはありません。
しかし事実上カーター政権以来、非核国への先制使用政策を放棄してきた政策を、
ブッシュ大統領は大転換させようとしているのです。

「テロ戦争」にかこつけて非核保有国を核攻撃する戦略を初めて
公式のものにしようとしているのです。核兵器使用の敷居を著しく低め、
いつ使われても不思議でない危険な状態を作ろうとしているのです。

http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Japanmilitarism/pamphlet_emergency_law_2.htm
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上に書かれたアメリカのターゲットにされた国のうち、
リビアとイラクは、この地球上から消滅した。


しかも、イラクに関して言えば、1990年の湾岸戦争のおり、
42日間に渡って11万回の空爆、つまり30秒に1度は爆弾を落とされた。

民衆の頭上に投下された爆弾の総量は8万8500トン、
これは広島を灰にした原爆リトルボーイの7.5倍分の威力に相当する。

10万人以上の市民が直接、多国籍軍に殺害されたのである。

今現在、この爆撃を非難する動きが少しでもあるだろうか?
このジェノサイドは完全の忘却の彼方にあって思い出そうとすらされない。

しかし、この大量虐殺は間違いなく、
「国際社会」の承認によって行われたのである。



当時、朝日や読売をはじめとした日本の新聞もこの戦争を支持した。
イラクがクウェートに侵攻したのが発端だったため、
侵略国イラクをクウェートから撤退させるための攻撃として受け入れられた。

素晴らしいことに、同社の記者たちは危険だということでイラクから撤退していた。
あれだけ煽っておきながら、自分たちは逃げたのである。
殺される恐れのない強者の目線から、この戦争は語られ、そして忘れられた。

核を持つか持たないかではなく、現実に誰が攻撃をしているかいないか、
誰が害をなしているか、誰が争いを鼓舞しているのかで平和の敵を認識すべきだ。
それができない人間は平和を語るべきではない。

ところで、この時のイラクの攻撃にはイギリス、フランス、サウジアラビアなどの
いつもの面子と共に、シリアのアサド(父)政権も加わっている。

参戦によるアメリカとの関係改善という甘い期待でもあったのだろうか?
結果的にシリアは数年後、滅ぶべき国「悪の枢軸」の一つに数えられ、現在、爆撃を受けている。


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シリア領のイスラム地域で行われたダーイシュ(IS,イスラム国)に対する
アメリカ主導の共同空爆によって少なくとも11人以上の住人が犠牲となり、
痛ましいことに犠牲者の大部分は子供であったとシリアの人権監視団体が伝えた。

ラッカ北部に位置するハジマ村で木曜日に行われた共同空爆の結果
8人の子供と3人の女性が亡くなったと団長のアブデル・ラフマン氏が報道陣に語った。

昨年12月に公表された人権監視団体のデータによると、
アメリカのシリアにおける共同軍事活動の結果、約3700人のダーイシュ戦闘員と
81人の幼児を含む299人の住人が死亡した。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/middle_east/
20160109/1414215.html#ixzz3wr6qhGg6
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アメリカは朝鮮戦争の際にも原爆投下を検討していたが、その姿勢は今も変わらず、
現在も、いざとなればいつでも核兵器を使えるように開発に勤しんでいる。

アメリカは2011年、2012年、2013年、2014年、
つまり2010年代前半において毎年、核実験を繰り返していた。


もちろん、一部の反核団体は抗議を行っていたが、
朝日新聞や産経、読売新聞が北朝鮮のそれと同じくらいの情熱をもって、
非難していただろうか?「アメリカに制裁を!」という声を誰がしていただろうか?



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アメリカの核実験の継続

アメリカの新たな核政策に関する報告は、
同国の核施設や核兵器の開発、改良を物語っています。

アメリカとロシアの間で、START2と呼ばれる条約を締結したにもかかわらず、
アメリカの行動は同国が新型核兵器の維持と開発、装備を追求していることを示しています。

START2・第2次戦略兵器削減条約に基づき、
アメリカとロシアの戦略的核弾頭の数が2018年までに、2200個から1550個に減らされる予定です。

アメリカ軍が連邦政府の財政赤字と債務の減少を目的に、
予算削減の問題に直面しているにもかかわらず、
アメリカ政府は、自らの核兵器を新型のものに変えようとしています。

これに関してアメリカもまた、多くの核保有国が核実験を控えている中、この実験を継続しています。

アメリカ原子力規制委員会が11日月曜、提示した情報によれば、
同国は2012年10月から12月まで、プルトニウムを用いることで、
核兵器に応用する能力を査定するため二つの核実験を実施し、
2010年からのこれらの実験の数は8件に達しました。

この情報は、アメリカが2012年12月に四度目の核実験を実施した後に提示されたものです。

このような実験の繰り返しにより、批評家は、
アメリカのオバマ大統領の立場に疑問を呈しています。

オバマ政権は、自ら核兵器を維持しながら、核兵器の廃絶を訴えています。

アメリカは核兵器の威力を測るために、この実験を行っています。
同様の実験は、少なくとも2012年4月から6月までの間、さらには2012年8月末に実施されました。

こうした中、アメリカは、START2の枠内で、核兵器の削減を表面的には追求していますが、
アメリカ政府の報告によれば、最も費用のかかる新型核兵器の開発を行おうとしています。

アメリカの新型核兵器の開発の一方で、アメリカ国防総省は、
複雑な問題により軍事費用の削減に直面しています。が、それにもかかわらず、
アメリカの新型核兵器の開発と5113個の核弾頭の保管、古いシステムの交換や
核施設の新築にどれくらいの費用がかかっているかは明らかではありません。

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/35830
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米国、韓国に戦略爆撃機B-52を配備

米国は、北朝鮮が先日、水爆実験について発表したことを受け、
韓国に戦略爆撃機B-52を配備した。日曜、韓国の聯合通信が伝えた。

爆撃機は米国のグアム基地から派遣され、
正午にかけて韓国キョンギド地方オサン市の領空に入った。

北朝鮮が水素爆弾の実験について発表したことに対する韓国の対抗措置としては、
拡声器による北朝鮮側に向けたプロパガンダ放送の再開に続いて、2段目のものとなる。

爆撃機B-52は南北境界線から3000㎞以内の北朝鮮の軍事司令拠点を攻撃できる。
各機、各907㎏の爆弾35発と、精度100mの誘導ミサイルAGM-86(射程2500㎞)
およびAGM-129(射程3000㎞)を12発備えている。

B-52は1950-1953年の朝鮮戦争で平壌空爆に使われた。
核兵器も搭載できる。
北朝鮮指導部はB-52に対して非常に敏感である。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20160110/1416428.html#ixzz3wrGonfP7
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朝鮮戦争の折、朝鮮半島は一度、アメリカの空爆により焦土と化した。
この間、戦争の指揮を取ったマッカーサーは核の使用を検討している。

加えて、2002年から一貫して北朝鮮を標的とした核開発、わずか5年で10度以上の核実験、
そして毎年行われる核弾頭搭載可の爆撃機を使用した軍事演習、同爆撃機の在韓米軍事基地の配備。

どちらがより強い脅しをかけているかは、
少し考えれば誰にもわかることではないだろうか



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北朝鮮、平和条約調印を米国に呼びかけ

北朝鮮は再び米国に対し、平和条約締結を呼びかけた。
「そうした文書に調印がなされた結果として
 はじめて朝鮮半島に平和を保障する問題が解決されるだろう」。

北朝鮮のノドン・シンムンが報じた。
同紙は、現時点で優先的に注意を払うべきは朝鮮半島の非核化であり、
米朝間の平和条約調印ではない、とする米国政府の視点を、根拠のないものとした。

米国が一方的に北朝鮮を核兵器で脅迫できた時期は過ぎた
米国政府は「理性のあるところを示し、
北朝鮮との平和条約調印に関する政治決定をとるべきだ」と同紙。

朝鮮戦争の結果、一時的な停戦合意には調印がなされたが、平和条約は今日もない。
形式的には戦争が終了していないためだ。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20160110/1417860.html#ixzz3wrNdjy7f

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今回、北朝鮮は自国の水爆実験をアメリカの核による威嚇に対する自衛行為と主張した。
それに対してどう思うかは別として、確かにアメリカは北朝鮮を核で脅している。

これに対して、北朝鮮は平和条約調印を一貫して求め続けているわけだが、
私の知る限り、米日韓、すなわちアメリカを中心とした軍事同盟国内のメディアは
北朝鮮の以上の反応、抗議を「脅迫外交」と称し、アメリカの核威嚇を大きく取り上げない。

北朝鮮がすることは「脅迫」だが、
米韓日の核威嚇、軍事演習、経済制裁は「脅迫」ではないそうだ。


まさしく、メディアはこれらの行為を「制裁(こらしめ)」だと思っているのだろう。

日中戦争開戦時、日本は「暴支鷹懲」、すなわち「悪い中国をこらしめてやれ」
という言葉をスローガンとして打ち出し、自国の戦闘行為を正当化した。

最近(といっても、20年以上前からだが)の北朝鮮に対する米日韓の態度はまさにそれで、
北朝鮮は悪い国だから経済「制裁」しなければならないのだと熱弁をふるっている。

まさに「野蛮人どもにキリストの愛を教え文明人として目覚めさせなければならない」と語り、
西欧国家の南米アフリカの植民地化に肩入れをしたキリスト教団体を思い出す光景である。

しかも、これはハンギョレや朝日新聞といった一般的には「サヨク」と呼ばれる新聞が
先陣を切って行っている。まさに北朝鮮を滅ぼすためなら簡単に右翼とつるんでしまっている。

無論、朝日に限らず、多くの左翼系知識人はこれと似た態度だと思われる。
(そうでなければ北朝鮮バッシングなど、とっくの昔に終わっている)

そういう連中が本当に日本の改憲や軍拡を食い止める勢力になりうるのだろうか?

大変申し訳ないが、今のSEALDsをはじめとする反戦運動を見ると、
具体的な問題について特に(場合によっては「何も」)考えていない印象を受ける。

9条は守るべきだと叫んでおきながら、いざ北朝鮮問題になると、
途端に右翼とつるみ、相手の立場を考えず、非道い場合は制裁を主張しさえする。
そういうことをしでかさないかと不安になるのである。


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