しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

彼岸桜 ( ひがんざくら ) <季> 仲春

2011-03-31 |  春の草木 の 俳句

◉ 姥彼岸 (うばひがん)・東彼岸 (あずまひがん)・立彼岸 (たちひがん)・江戸彼岸 (えどひが )・枝垂彼岸 (しだれひがん)

尼寺や彼岸桜は散りやすき ・・・・・ 夏目漱石 [漱石全集]
仔山羊啼く彼岸桜に繋がれて ・・・・・ 青柳志解樹 [楢山]
明るさの彼岸桜やひと恃まず ・・・・・ 山口草堂 

他の花に先がけて、お彼岸の頃に咲く桜です。
彼岸桜と言えば、一般に「小彼岸桜」を指します。
本州の中部より西日本に多い小彼岸桜は、
花は小さく、一重咲きの淡紅色、
桜の中で最も優美で一番早く開花します。
江戸彼岸は、コヒガンザクラとは別種で大木になり、
俗に彼岸桜と同名で呼ばれています。
姥彼岸、東彼岸、立彼岸とも言われ、
この方が開花が遅く3月下旬になります。
根尾の薄墨桜など有名な古木があり、長命な桜です。

  [ バラ科サクラ属の落葉小形高木 ]

満開のときの白い色の薄墨桜が目に浮かびます 。

コヒガンザクラ (小彼岸桜)
エドヒガンとマメザクラの交雑種と考えられています。
小型で枝が細かく分かれ花の付きもいいので、
庭木、公園樹として植えられています。
樹高は、4~5m。
幹は直立して多く分枝します。小枝は無毛でなめらかです。
葉は、柄をもち、長さ5~10㎝の倒披針形または楕円形で先は鋭尖頭、基部は鋭形形、
縁には重鋸歯があり有毛、互生します。
花期は、3月下旬~4月上旬。
葉に先立って径約3㎝の一重淡紅色の花を2~3個散形状に付けます。
花弁は5枚で凹頭です。
雄しべは多数、子房と花柱には毛がありません。
果実は、小さい球形の、で、紫黒色に熟します。
コヒガンの亜種に十月桜が知られています。
名は、彼岸頃に咲き始めるために付いたそうです。
別名 : ヒガンザクラ(彼岸桜)・センボンヒガン(千本彼岸)

エドヒガン (江戸彼岸)
コヒガンザクラとは別種です。
本州~九州にかけて、
山地の谷沿いや斜面にやや稀に自生し、時には観賞用に栽培されます。
樹高は、10~20m。
樹皮は老木ほど縦にさけ、小枝は細長く表面は滑らかです。
葉は、長楕円形で長さ5~9㎝、先は細長く尖り、基部は鋭形、
縁には鋭く尖った鋸歯があり、互生します。
葉には軟毛があります。
花期は、3月下旬。
葉より早く、淡紅色の花を数個散形状に付けます。
花弁は5枚で凹頭で水平に開出します。
雄しべは多数、雌しべは1本、萼や花柱とともに毛でおおわれます。
萼は筒状で下部がややふくらみ、上端で5裂します。
果実は、小さい球形で、紫黒色に熟します。
枝が垂れない品種はエドヒガン。
だの垂れる品種をシダレザクラ(イトザクラ)といい、
花色が濃い栽培品種に八重咲きのヤエベニシダレや一重咲きのベニシダレがあります。
ソメイヨシノの一方の親としても有名です。
名は、エドヒガンは江戸で多く見られ、春の彼岸(春分の日を中日に前後7日間)頃に花が咲くことから、
アズマヒガンは東国の彼岸桜の意。
ウバヒガンは姥(老婆)は普通歯が抜けてしまって無い場合が多いが、
本種も3月末に葉の無いうちに花が開くので、歯無しと葉無しをかけて,ウバの名が付けられた。
シダレザクラは枝が細く長く伸び、枝垂れるところからその名が付いたそうです。
別名 : ウバヒガン(姥彼岸)・アズマヒガン(東彼岸)・タチヒガン(立彼岸) 


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