しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

野葡萄 ( のぶどう ) <季> 初秋

2010-07-10 |  秋の草木 の 俳句

◉ 蛇葡萄 ( へびぶどう )

野ぶだうや筧朽ちたる崖の下 ・・・・・ 寺田寅彦
野葡萄や樹海を抉る道一すぢ ・・・・・ 富安風生 (晩涼)

野葡萄のむらさきあはき思ひかな ・・・・・ 島谷征良 [鵬程]

山野に自生し、
巻鬚で他の植物に絡まりながら伸び、
夏、淡黄色の5弁小花を多数付けます。
秋になると、
球状の小さな実を集めて付けますが、房状にはなりません。
やがて色の変化や形の不揃い・ゆがみなど生じますが、
白・紫・碧などとりどりの色が混交し美しく目立ちます。
崖・石垣や木の枝などから垂れている姿を見かけます。
実は食べられません。

  [ ブドウ科ノブドウ属の落葉蔓性低木 ]

野ぶだうの道ゆるやかに曲がりたる ・・・・・ みなみ

ノブドウ (野葡萄) 
日本では、
北海道~沖縄の、
おもに日当たりの良い山野の藪や草原などに自生します。
樹高は、3~5m。
茎は長く成長し、大きいものは直径4cmほどにもなり、
節があって、皮は茶色です。
葉は、長めの柄を持ち、心臓形で3~5裂し、
深裂のものと浅裂するものがあり、
互生します。
巻きひげは葉と対生して、二股に分かれ各節毎に出ます。
花期は、7~8月。
集散花序に淡黄緑色5弁の小花を多数付けます。
雄しべは5本、雌しべは1本です。
果期は、10~11月。
球形の液果を結び、
やがて熟すと光沢のある白緑・紫・青などとりどりに色付きます。
普通はタマバエやトガリバ類の幼虫が寄生して虫こぶ(*)が出来、
色の変化や形の不揃い・ゆがみなどが生じます。
実は食用にはなりません。
茎葉・根茎を日干しにして乾燥したものを、
生薬の茎葉は蛇葡萄(じゃほとう)、根は蛇葡萄根(じゃほとうこん)として、
関節痛などに用います。
名は、野に生え、葉がブドウに似ているから付いたそうです。
別名;ザトウエビ(座頭蝦)・ヘビブドウ(蛇葡萄)

2010/10/27 撮影


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノブドウ ( 野葡萄 )  | トップ | 蟷螂の子 ( かまきりのこ ) »
最新の画像もっと見る

 秋の草木 の 俳句」カテゴリの最新記事