にざかな酒店

刻停間月茶

って言うか刻停間って元ネタ的に型月のエッセンスを放り込みまくってるような部分があるので、いっそのこと、あれを、月茶を…!と言うのは前々から考えていたのです?
ってことでオリジナルのネタがすっからかんになってるのをなんとか、と無理やり掘り起こして来て、完成。
元ネタが月茶なので三人ともといかがわしい関係になってますが、月影くん。
普段のネタではそんなことになってはいないのでその辺うまいことスルーしてね、皆さん。と言う話なのでした。まる。
ところで刻停間って割とギャルゲーっぽい皮被ってる割には「ギャルゲーのここがあかんわなあ」的なシーンは意図的に結構入れてたりして…。そうなのよ、実は結構そうなのよ。ってことで。
そう言うとこを探してみるのもありかもしれないな、だけど、ブラッディストの悪魔の酒のエルスのロッドに放ったフタナリ発言「不死身の上に龍神までついてるじゃ属性持ちすぎだよ、それじゃー…」が、そう、あれまでが「特定の漫画」の「節操なしに味方増やしまくるヒロインに対する批判の言葉」だったことは誰も気づいてなかったと思うんですけど、どうでしょう。(だって霊能力バリバリな上に悪魔やユニコーンまで味方なんですよ、なんなんですか、彼女は!?節操なさすぎやっちゅーねん!)え?気づいてなかった?うふふ。
私は意外とそう言うキャラですよ…。
まさしく他人へのツッコミをあてにして、自分のめぐみだけではものが描けない人です。
昔っからなんとなーくそう言うとこある!
では続きでどうぞ。
刻停間月茶

作者注(月茶とはあるギャルゲーのおまけシナリオで主人公に口説かれたキャラが総出でお茶飲みながら話をすると言う状況で有る事無い事喋りまくる話のタイトルであります。よって、刻停間の子も同じような状況でのグダグダ話をやってみたらどうだろうと言うのが元の話。
なのでこの話の中では月影くんはメインヒロイン三人ともとあれな関係になっちゃってるようです。普段の話では三人ともと仲はいいけど三人とも手を出してないっぽい設定でやっていますがこの中ではモロですよ、はい。特別設定なのでその辺スルーしてね。)

カラン、と小気味のいい鐘の音がなり、喫茶店に女が三人入って来た。
彼女たちがくることはのっけから情報として知っていたので、先に潜伏していた空斗と琉留は少し息を潜めたのであった。いや、潜めても最初から彼らが来てるのも彼女たちは知っているのだがそこはその辺スルー設定なのである。この場のセッティングをしたのは実は空斗なのだが彼女らの話は全部聞いてないこと前提でこの場にいるのが許されているのであった。
はいはい、俺は聞いてません…。聞いてませんよ、と。
「さあ、お二人さんが揃ったところで、聞きたいことがあります」
と、黒服のツインテール、文月が口火を切った。
「前から気になってたんですけど…まさかヒロインが三人しかいてないのにそのうち二人が主従同時攻略オーケーなんて、そんな卑怯なことはしていませんわね?」
のっけからコーヒーを吹きそうになったのを堪えた空斗だった。
(文月、最初からとばすなあ…)
「あらやだ、文月さん。最初からスリーピーだなんて…もちろんそんな卑怯なことはしていませんよ。そう言うゲームの前例はありますけれど」
と、李々が予想していたかのように答える。
「スリーピー?えと、スヌーピーか?あれはネコ好きも好きな犬とか言うな。私もあれは結構好きだ」のほほん、と椅子に座りなおしながら、魅厘。
「ちょっと、魅厘さん。可愛い方に話をすり替えないで。って言うか、大丈夫なの、この人」
「まあその…うちのご主人様、ちょっと偏った育て方されたのでこの辺のことは仕方ないんですよねえ。こう言う人見たら姑モードになるか、保護モードに入るかどっちかですよ大概の人は」
もそもそ、と話をする二人を見て「なんだ、案外仲いいんだな」と呑気にこくこく頷いている魅厘であった。
「困ったわね…とりあえずは姑モードでいかせてもらおうかしら。私どうせ初期設定はラスボスだっし」
「でしたね。私が犯人か文月さんが犯人かの二択で」
「魅厘さんだけなんでか潔白なのよね、なんでかしら」
「でも魅厘様だってあなたのルートでラスボスフラグたてとこうとかそんなノリありましたでしょ」
「このノリじゃ「李々!!この泥棒猫!」イベントは発生しそうにないけれど。って言うかあなた本当にそれも言われなくて大丈夫なの?雇い主の幸福考えてる?」
「考えてますとも。だから最終的にはご一緒でも構いませんから」
「卑怯なことはしないんじゃなかったの?」
「使用人には意思はないんですよ、家具ですから、ほほほほほ」
聞いてない。俺は聞いてない。ってか早くもセッティングするんじゃなかった感がズバリ。
て言うかみんななんでも俺に言ってくるもんだからだったらみんなで話しすればいいじゃんってツッコミ入れたのがそもそもの原因だった。
「ところで李々さん。使用人が犯人ってミステリの十戒では反則技よね?」
文月の用意していたかのようなツッコミに李々はくくっている方の髪をやんわりと撫でる。
「あれはもう古代の話ですわ。今のミステリにはそんなこと関係ありません。だいたいミステリの十戒って中国人が犯人だとか言うのまで反則技じゃないですか」
「あなたチャイナドレス似合いそうだわ」
「文月さんだってとてもお似合いそうですよ?」
「チャイナドレス?ブラッディストのエルムがいるのに私たちがそんなもん着る必要ないだろう」
いつのまにか運ばれてきたコーヒーを真っ先に啜りつつ、魅厘。ちなみに文月は紅茶、李々は赤いハイビスカス系のハーブティーである。
「それより、使用人が犯人って雇い主の責任ではないのですか?」
「まあまあまあ。使用人が犯人ネタはこの辺でいいんじゃないか?」
「そうそう、雇い主のための殺人ネタも米澤穂信のネタでありましたしね」
ここで雇い主と使用人が結託するので他の人が突っ込めないのである。世の中結局多人数がちだ。
(やっぱり不利なんじゃないのっ。)
ずるいわ、この人たち。と文月は紅茶をすする。
「で、なんだ。結局私たちって喧嘩しにきたのか?」
魅厘がわざとゆっくりと言うのに、ほとんど全員が「そうだよ!!」と心の中で突っ込んだ。
「ちゃんと話をつけておくためにみんな集合してるんです」
コーヒーを飲みながら相変わらずゆっくりとしている魅厘である。
「結局何が問題なんだ、何が。それぞれみんな好き勝手行動した上でのことじゃないか」
「…だか、ら。そのみんな好き勝手の行動が…!それがそもそも問題であって!」
(うん、頑張れ、文月。)
なんだかんだ言って月影問題に関しては文月を一番応援している空斗であった。だって他のは誰とくっついても後がめんどくさいし。ましてや三人ともずっとなんてめんどくさいの極地である。
そんなわけで一回でちゃんとケリをつけてほしい。と言う彼のか細い望み。
「空斗さん、私ちょっと暇ですわ…李々ちゃんとか魅厘様の加勢してきていいです?」
ずーーーっと黙っていた琉留までそんなことを言い出したので。
「ちょっと、君まで魅厘さんたちの加勢したらどうすればいいんだよ…。あんまりにも文月かわいそうだろ」
「でも…ちょっとこっちが悪いように言われるのも…」
「悪いのは月影だから、いいから黙ってて。」
「って言うかさんまたってどうなんですか、双子の責任じゃないんですか」
じっ、と空斗の目を見て、琉留は言う。双子の責任なら李々さんの行動もみんな君の責任だろう!と突っ込みたいのをちょっと我慢。
「双子って言ったって一緒に育ってないし。その辺はほっといてくれない?」
「それじゃ、パフェくらい注文していいです?喫茶店に来て飲み物だけって言うのも。せっかく長々と居座ってるのに店の人に悪いです」
いそいそ、と実質デートモードにはいった琉留にため息つきつつ、「ああいいよ、わかったから大人しく食べて黙っといて」とつぶやくように了承した空斗であった。
で、あっちの話はと言うと、いつのまにかやまたのおろちになっているのであった。また魅厘お得意の天然脱線らしい。
「やつまたは幾ら何でも八つ裂き光輪だわ」
「さんまたでも大概なのに」
ブツブツ、とつぶやく彼女たち。って言うか、これ、この三人の談義で収集つくかと思った方が幻想なのか。と、絶望しかけたその時、店にいた子供のぴきゃーごえが響き渡った。
一人や二人なんてかわいいものではなく、そこら一気だった。
ツインテールの頭を抱えながら文月がまとめる。
「………つまり、こう言うことですよ、魅厘さん。みんな好き勝手行動するとこのように困ったことになるって。」
「下半身のやんちゃとその後の惨状、みたいなやつか。なるほど」
「刻停間って人数制限してるはずじゃなかったんですかねー。少子化とか嘘でしょうレベルの事態って時々発生しますよね」
と、こくこくうなずきながら、李々。
「って言うか今度は月影のも意図的にこう言う場に連れてくればいいんじゃないか?」
との魅厘の鶴の一声に、「そうですね」「そうしましょう」と彼女らは初めての結託を行なったのであった。この散々のぴきゃーの声の中。(終)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ネタ、小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事