疲れ探偵ロングヘア

なんとなく疲れ探偵も重いネタが続いてたりしたのでここらで軽いネタを飛ばしてみようかと。
髪は女子的にはくるくるの子はストレートが良かったりストレートの子はくるくるが良かったって言ってたり、色々しますねえ…。関係あるよなないよな話ですが。

追加でもう、これねー。本当にもう、これねー、なお話をいっぺん。どういうことかは読めばわかるのです。
疲れたおっちゃんの独り言的な。
みなさん疲れております。ふう。
疲れ探偵　ロングヘア

「探偵さんー」と、泣きながら女の子が言った。
どう見ても無理やり切られたようなショートヘア。
うん、いつかくると思ってたこんな時。
現実にこんな展開があるかどうかはわからないが、よくミステリで女子の長い髪フェチの犯人とかいるもんね。執着心怖い怖い。
「髪、切られちゃったんだね」
「そうなんですー。犯人なんか太ってたみたいだけど、多分声からすると男の人だと思うんです。なんか帽子かぶっててもモコモコする髪の人で」
あれ、髪モコモコの人？と探偵は首をかしげる。
なんか犯人のイメージが違うなあ。今時ヤーさんでもパンチパーマなんかかけてないように思うけど。
「切った時によっしゃー、って言ってました。」
あれ、なんかますますイメージ違う。
そう、その後もその女の子と話していて、導き出された犯人、それは…。

「そうよ、私よ、犯人は。今の女の子みんな一様にだらりと長い髪でおかしいわ！綺麗な髪じゃないロングヘアなんて私は認めん！もう見るたびに切りたくて切りたくて仕方なかったの！」
あのー、ねー。
だからって無理やり切っちゃったら犯罪ですよ、おばちゃん…。
うん、声からすると男の人？って彼女は言ってたけど、実は男の人みたいな声のおばちゃんなの…。
若干犯人特定に時間がかかったのは、にたようなおばちゃんが結構いるからであった。
うん、いるよね。
他にも中途半端な長さのくるくるヘアの子が髪をくくってた姿を見たら「ねえ、あなた髪切った？髪切った？」とか聞いて喜んでたとかいう話も聞きましたよ…。
あなた髪くくりなさいよ、その髪うっとおしいわ、とかね…結構あるみたいですよ？
「あのねー、人の髪のことは人のことでしょ？ほっときなさいよ。おばちゃん」
疲れ探偵の疲れた口調はこういうセリフの時にピタッとハマるのであった。
「いやいやいやいや。女の髪のことは女は気になるものなのよ。」
「いや、っていうかですね…女子高生のスカートの短いのを直して回ったのもおばちゃん？」
「そう。だって短すぎるスカートおかしいでしょ」
おかしいでしょ、じゃないよ。おかしくてもその子はその子なりに自分飾ってるつもりなのよ。と、なぜか女口調で思ってしまう探偵なのであった。
しかし、真の動機がおばちゃんの世話焼きっていうのもなあ…。
世間的にはこの犯罪、どうするつもりなんだろ…。
髪は女の命、とは言いますが、長い髪が全般的に受け入れられてるわけでもないようで、ようはそういう話なのでありました。

えらい（または疲れたおっちゃんの独り言）

私はえらい。
えらいということはいいことだ。威張っているのとはまた別の話である。また、えらいからと言って他人を下に見るなんて論外である。
他人の失態を突くなんていうのは行儀のいい行為とは言えない。自分が失態した時には逆に何を言われるかわからないからである。
許すという行為には軽い上下関係が現れる。
謝るというのは多少なりとも自分の悪さを認めるという行為であり、自分を改善するという誓いのはずなのである。なので、他人を許し続けることはえらいのである。
そんなわけで、私はえらい。
仏の顔も三度まで、なんて誰が言った言葉か。
入りたての頃に近い期間で三回ならともかく、三回くらいのズル休みで会社や学校がクビになったりするわけがないのである。また、大体人を怒らせるような真似が三回やそこらでやめられるわけがない。クレーマーや詐欺なんて味をしめて何回も繰り返されるし、また暴力やいじめもそうだ。虐待に至っては虐待されて育ったものがまた自分の子を虐待するなんてループもある。
人に迷惑をかけられやすいタイプは何度もなんども違うものから同じことを繰り返されるのである。
そんなわけで、私はもはや神様レベルにえらいのであろう。
買ってすぐに壊れた案外高いペンも、何度もなんども無断欠勤する部下も、自分の嫌いな献立ばっかり作りたがる妻も何もかも許してきた。
いや、えらいからって他人に褒めてもらわなくていいんだ。
ただもうちょっと、そのー…、耐えるべき事項を減らしてもらえないかなあと思って…。
どこまで試すつもりなのか、皆一向に辞めないのも気にかかる。
これ以上偉くならなくていいので、もう少し平穏をお願いできませんか。
よろしくお願いします…。