図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

『石神伝説』

2006-12-28 | 本の紹介
先日『偽書「東日流外三郡誌」事件』のことを書きましたが、その本の中に著者の斉藤光政氏をモデルにしたマンガがあるという記述がありましたので入手してみました。それがとり・みきの『石神伝説 1~3』です。
このマンガは、ヤマト朝廷に滅ぼされた「鬼」が現代社会で復讐をしようとするする物語で、それに対峙する物部氏の子孫や新聞記者、フリーライターなどが絡んでくるというものです。このフリーライターの安孫子というのが元津軽日報の記者ということになっていて、斉藤氏がモデルとなっているそうです。第3巻には「東日流外三郡誌」とその製作者和田氏がモデルと思われる話も出てきます。
ちなみに、このマンガは連載雑誌の休刊により未完のままで完成の予定もないようです。
内容的には、私図書館屋の好きな諸星大二郎の『暗黒神話』にモチーフが似ており、また『妖怪ハンター』的要素も盛り込まれています。アマゾンの書評では「諸星大二郎をリライトした」とまで書かれています。諸星大二郎は神話を大胆に解釈し諸星ワールドを形成していますが、とり・みきは実際の神話に忠実にしたがいつつ物語を進めている点が違うところでしょうか。私図書館屋としては、今読んでいる「神武東征」の本とかぶるところが多く、楽しく読めました。もっとも話が盛り上がるところで終わっているので作品としての評価はいまひとつかな?
石神伝説 (Volume1) 石神伝説 (Volume1)
とり みき

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