図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

『組織行動の「まずい!!」学』

2006-07-14 | 本の紹介

 サブタイトルに「どうして失敗が繰り返されるのか」とある。
 失敗学といえば畑村洋太郎氏である。『続々・実際の設計-失敗に学ぶ-』で有名になり、失敗学の創設者となった方である。他に『失敗学のすすめ』『失敗学の法則』などがある。
 『続々・実際の設計』では、
  ・「学生がボルトを次々と引きちぎった」
  ・「材料の圧縮実験で死にそうになった」
  ・「とんでもない断面をもつ代物ができてきた」
 といった基本的失敗が108例、重大事故の例が26例と非常に多く掲載されている。そしてそれが理工系だけでなくビジネスマン等にも大きな影響を与え、その後の失敗学の創設につながっていく。

 さて『『組織行動の「まずい!!」学』はこの失敗学をマネジメントの分野に着目して組織行動の失敗例を集めたものである。
 例えば三菱重工客船火災事故やチャレンジャー号爆発事故、JCO臨界事故、中華航空墜落事故等が紹介されており、最後の5章でこれらを基に「リスク管理の要諦」が述べられている。(話は逸れるが、私図書館屋の館でも「危機管理マニュアル」を現在策定中である。)
 なお著者は警察官僚の方である。

 もっとも私図書館屋はこの本を読みながら、ちょっと別のことを考えていた。それは組織の柔軟性である。リスク管理においては「現場の判断」が往々にして悪い方向に行く場合があるようだが、日々の図書館運営においては担当がとか、前例がとかに縛られて対応や判断が遅れたり、必要なことがなされないことの方が問題が多いと思う。
 担当外のことであっても気がついた職員がどんどん提案したり、場合によっては事後承諾を前提に修正したり、あるいは例外的事例であってもより効果的であるなら認めるといった組織柔軟性が、活き活きとしたそして対応力のある運営を行なう基礎になると考える。
 ただこれには判断と行動力、そして全体を鳥瞰している管理職の存在が重要なことは言うまでもない。こういったことが出来ている組織は変化に強い。激動期の図書館界にはこんな組織が必要である。

 さて振り返って私図書館屋の館はどうであろう。積極的な人の芽を摘んではいないだろうか。思い当たるだけに「天に唾」かもしれない・・・・・・・・・・・。
 

組織行動の「まずい!!」学―どうして失敗が繰り返されるのか 組織行動の「まずい!!」学―どうして失敗が繰り返されるのか
樋口 晴彦

祥伝社 2006-06
売り上げランキング : 10170
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
続々・実際の設計―失敗に学ぶ 続々・実際の設計―失敗に学ぶ
畑村 洋太郎 実際の設計研究会

日刊工業新聞社 1996-11
売り上げランキング : 161518

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
失敗学のすすめ 失敗学のすすめ
畑村 洋太郎

講談社 2005-04
売り上げランキング : 6455
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
『本』 ジャンルのランキング
この記事についてブログを書く
« 恐竜のジオラマ | トップ | 印象的な猫 »
最近の画像もっと見る

本の紹介」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事