カタバミ科の植物で、近所の家の石垣や、本家の庭などあちこちに生えていた草。
ピンクの花が咲き、茎を噛むと非常に酸っぱい。それをわれわれは「すいすい」と呼んでいました。
私図書館屋の小さい頃は、ひたすら遊び倒す毎日でしたから、疲れた時や喉が渇いた時には、この「すいすい」の酸味がたまらない。いたどり(虎杖)も酸っぱくていいのですが、いたどりは夏の物、というイメージがあって、日常的にはこの「すいすい」を食べていました。
なぜ酸っぱいかというと、葉や茎にシュウ酸を含むからだそうです。よく見かける赤い花のものはムラサキカタバミで、1860年代にブラジルから観賞用として輸入された、帰化植物だそうです。
「すいすい」はみんなで抜いてわしわし食ってもしばらくするともとに戻っていて、また5月くらいから10月くらいまであるので、子どもには手頃でしかも大人に怒られないという、理想的食品でした。
今から考えると「すいすい」も「いたどり」もそれほど美味しい植物ではありませんが、親の貧富にかかわらずみんなで囲んで食べられる「すいすい」「いたどり」は、食品以上のものだったと思えるのです。
(庭に生えておりました。)