ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

8月8日にオープンしたレースミュージアム「LOOP(ループ)」。17世紀のヨーロッパのレースなどを展示

2022-09-26 | 博物館・美術館

「あれ?こんなところにミュージアムがあるんだ~」と、西陣の千両ヶ辻伝統文化祭に行っていたミモロが足を止めました。

それは、「レースミュージアムLOOP]です。


西陣織会館から、元誓願寺通を西に進んで大宮通の交差点を超えたところにある「リリーレース・インターナショナル」というレース生地の会社の2階に8月8日にオープンしたレースに特化したミュージアムです。


「あの~見学していいですか?」とミモロ。「はい、どうぞ~ご説明しますね~」と、2階にご案内くださったのは、この会社の社長の西村さんです。


「わ~いろんなレースがある~きれい~」と、ミモロ。陽光が注ぐ2階には、美しいレースが、額に入って展示されています。


ここには、17世紀から近代までのイタリア、ベルギー、フランスなどのアンティークレースが多数所蔵され、展示へ。


そもそもレースというのは、穴が開いていて、透けているもの。つまり漁業に使われるネットなど、水を切る作業道具として、古代遺跡からも発掘される人類と共に歩んだ品のひとつです。「この段階だと、アミって感じなんだって~」

そんなレースが、装飾品となり、芸術性を高めたのが、16世紀以降のヨーロッパ。
レースの手法には、糸巻に巻いた糸を織ってゆくボビンレースと、布に針で糸を刺し、布の糸を抜いて作るニードルレースという2種類の技法も確立されます。いずれも極めて細かい作業で、女性の職人たちが、幼いころから技を習得し、受け継いで行きました。

超絶技巧など、芸術性の高いレースは、ヨーロッパの王侯貴族の心を捉え、服飾品として大いに発展。

「本当にすごい技術だよね~」と、展示品を見つめながら、ため息を漏らすミモロです。


さて、ここに所蔵されているアンティークレースは、創業者であるお父様から事業を受け継いだ西村さんが、世界中の産地を訪れ収集なさったものだとか。

創業者のお父様が、レースの仕事を戦後始められ、戦後のファッションブームと共に、レースの需要は拡大してゆきます。
「はじめは、下着用のレースなどを作っていたんですよ」と。製造したレースは、その当時は、主に輸出向けで、カナダやオーストラリア、香港などに送られ、その後、国内の下着メーカーなどへも供給。

創業当初は、幅の狭いレースリボンなどが中心だった製造も、次々に機械を投入。洋服用の幅広ろのレース布地を製造することで、より多くのニーズに対応できる体制に発展。国内外のファッションブランドに収めることに…。

「レース生地の製造も、安価な中国製などが台頭し、厳しい状況ですが、独自の製品開発に力を注ぎ、常に時代のニーズおよび先取りができるように心がけています」と熱く語る西村さん。

窓辺には、独自の染色と技で製造されたレース生地が、陽光を優しく透かします。


「レースって、なんか特別感あるよね~」とミモロ。「ほら、花嫁さん…」とレースを被ります。


女性を美しく見せるレース…その憧れは、時代を超えて、世界中の女性たちに受け継がれているのでは…。


時代の変化と共に、レースの使われ方も変わるもの。
「今、和服にレース生地を使うのが、若い女性たちに人気なんですよ」と。

以前は、レースの肩掛けなどは、見たことがありますが、今や、着物全体がレース生地で…。
「なんか新鮮な感じするね~」とミモロ。和服離れが進む現代、その時代の空気感にマッチした和服のニーズも高まっているのです。

人類が受け継ぐアンティークレースの素晴らしい技法の展示を鑑賞した後、ミモロは、奥のスペースに・・・
そこには、レース生地のサンプルがいっぱい…

「どうぞ、触ってください~」と言われ、ミモロも気になるレースにタッチ…。


さまざまなデザインや素材で生まれたレース生地…それは想像以上に幅広い世界です。

「一般のお客様にも、レース生地をご購入いただけるんですよ」と西村さん。
「え~そうなの?まるで産地直売みたい…」とミモロ。

「わ~何作ろうかな?お洋服だけじゃなくて、バッグやクッションカバーなんかもいいなぁ~」と、想像が膨らみます。

ともかく製造メーカーなので、その種類の豊富さは驚くばかり。

「あの~西村さんが着てるTシャツもレースですか?」とミモロ。「はい、これは特殊プリントなんですよ。依頼により1枚からも作れます。プリントですからお洗濯も安心です」と。


「へぇ、レース生地の世界も深いね~」と、感心しきりのミモロです。

京都旅で、また訪れたい場所が…ぜひ、北野天満宮などに行く途中に、西陣エリアへ。
「今度、お友達といっしょに来ます!」とミモロ。「はい、お待ちしてますよ」と。

*「レースミュージアムLOOP]京都市上京区元誓願寺通大宮西入る ☎075-441-0366 開館時間 9:30~17:00 水曜休館 入館料500円 (なお、入館チケットは、レース生地など購入の割引券になります)

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