ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都「秦家」で聞く「七絃琴」の幽玄な調べ。いにしえの人々が愛した音色

2019-08-03 | イベント

7月のある日。ミモロは、京都の古い町家が残る油小路仏光寺にある「京都秦家」を訪れました。

さまざまな文化イベントなどを開催している趣ある町家です。

「こんにちは~」と、ミモロは、玄関先でご挨拶。


すでに座敷には大勢の人が集まっています。


この日のプログラムは、「伏見无家琴演奏会」です。伏見无家(ふしみむか)さんは、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている「琴(七絃琴)の演奏家として、国内外に知られる方。
京都で、「疇祉琴社(ちゅうしきんしゃ)」という演奏家育成などをする会を主宰されています。

そもそも「七絃琴」は、中国で生まれた楽器で、琵琶などと共に奈良時代に日本に伝わったそう。天平の人たちが好んだ楽器で、正倉院などにも、その姿が残っています。
 
七本の絃を張った楽器で、そこをつま弾くようにして音を出します。低音で、ずっしりと響くような音色。音は楽器の下の部分から出るのだそう。七本の絃の太さは異なり、それによっても音色が異なります。

「初めて聞く音・・・すごく不思議な音色だね~」とミモロ。一般に想像するお琴は、華やかな音色ですが、この琴(きん)は、深く重く、男性的な感じがします。平安時代、貴族の間で人気となった「七絃琴」。貴族のたしなみのひとつとなっていたのです。村上天皇、醍醐天皇をはじめ、菅原道真も弾いたそう。さらに「源氏物語」では、光源氏が琴の名手として登場しますが、彼が弾いたのも、この琴です。
「え~お琴って、たくさん絃があって、お姫様や豪商のお嬢様がお座敷で弾いているものをイメージしてた~」とミモロ。そちらは「和琴」と呼ばれるもの。

「なんか聞いていると人生を考えちゃうね~」とミモロ。そう、その音色は、心に深く浸み込むよう。明日をも知れぬ時代…弾く人々は、そこに人生の無常などを映し出していたのかも…。

「弾き方、なんかハワイの楽器みたい~」とミモロ。そう、確かに似ています。


縄文時代の遺跡から出土する琴。きっと絃、つまり紐や糸をつま弾き、音が出るのを発見したのが始まり。つまり世界中に琴のような楽器があることから、人類とともに歩んできたものといえるかも。「人間って、なんか音を出したくなっちゃうんだね~」とネコのミモロ。特に琴は、邪悪なものを祓うものとして、祭事や神事に使われる楽器のひとつ。
「あ、お祓いするのに弓の弦を鳴らすのにも通じる~」とミモロ。

さてこの日は、9曲を演奏してくださいました。いずれも中国の春秋、宋、明の時代に作曲されてもので、なんと楽譜が伝わっているのだそう。その数は、3万曲はあるとか。

お嬢様たちが演奏するイメージが強い和琴は、江戸時代に普及。明治のころは、お茶、お花、お琴と良家の子女のたしなみのひとつになりました。

一方、「琴(きん)」は、江戸時代は、大名や文人などの間で幅広く流行し、幕末までに600人以上の演奏家がいたのだそう。でもその後、演奏家が激減、その音色を聴く機会は失われてしまいます。

「その理由は、家元制度がなかったこと。琴は、演奏する人の創造性や独自性を大切にしたので、家元制度を作らなかったんです」と、伏見さん。

伏見さんは、忘れられた「琴」の復興のための活動を演奏会やお教室などを通じ、積極的になさっています。

「う~深い音色…」と、ミモロのお腹に響くような音に、しばし時間を忘れます。


「この琴、夜、ろうそくの光のもとで聞いたら、きっといっそう時代を超えちゃうね~」と思うミモロでした。


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