ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

3月31日まで開催「平野の家 わざ永々棟」の特別展「雛さまとちっちゃなお道具~極まるかわいさ~」

2016-02-26 | 博物館・美術館

京都に春を告げる催しが、次々に開催され始めました。「もう、春だね~」とミモロ。まだ、ブルブル震えるほど朝晩は冷え込む京都ですが、梅の開花も見ごろを迎え、確実に春の気配がしています。

2月の節分…そして3月は、お雛祭り、そして4月の桜と、春が目白押し…。「お日様もずいぶん長くなったよね~」と、夕方17時過ぎても明るさを感じるようになりました。

さて、3月のお雛祭り…毎年、ミモロが楽しみに訪れるのは、北野天満宮の近くにある「平野の家 わざ永々棟」という現代の京町家である趣あふれるお家でのお雛祭りにまつわる春季特別展です。
「今年もお雛祭りの季節になったんだね~」
ミモロは、お雛様に負けないように、あでやかな振袖で出かけました。

今年は、「雛さまとちっちゃなお道具~極まれるかわいさ~」というテーマの特別展です。

「こんにちは~」と玄関で履物を脱いで、さっそくお座敷へと向かいます。
「ちっちゃなお道具展だって…楽しみ~」ミモロの持ち物もちっちゃなものばかりですが…。

1階のお座敷には、大きな享保雛や丸いお顔の次郎左衛門雛などが、今年も並んでいます。
 
その向かい側には、雛段が・・雅な有職雛です。


「ちっちゃなお道具は、2階なんだ~」と、階段で上に向かいます。
「わ~並んでる~」お座敷は、京都狩野派の狩野永岳筆の「高白梅図屏風」が囲み、雅びで豪華な雰囲気。

「ミモロちゃん、こんにちは~。お道具のお話しましょうね~」と、この企画を主催する「高津古文化会館」の学芸員の雨宮先生。
「はい、よろしくお願いします」と、先生の後に続きます。

まず、拝見したのは、銀製の小さなお道具。「すごいちっちゃい~。なんかペンダントヘッドみたい…」とミモロ。
 
「これは、徳川11代将軍 家斉に嫁いだ近衛家の茂姫さまのために作られた銀細工の雛道具で、東京の陽明文庫が所蔵するものを、今回展示させていただきました。本当に貴重なお品で、ここには130件の品があります」と雨宮先生。
「すごすぎる…」と目を近づけて見つめるミモロ。小さなお道具には、お茶道具、盆栽、盆栽のお手入れ道具、御膳、印籠セットなどなど、お姫様の生活にかかわる品々が、まことに精巧に作られているのです。
「これだけ保存状態がいいものは、めったにありません」と先生。黒く変色しやすい銀ですが、このお品には、まだ銀らしい輝きが残っています。これを作った職人さんの技のすごさに感動します。

大名家や公家では、女の子が生まれると、すぐにその子のお嫁入り用意が始まったそう。
「お嫁入りは、まだ幼いうちにすることもありますから、準備は早く始めないと…」

酒井抱一の「立雛図」の軸がかかる床の間の前にも、ちっちゃなお道具がずらり…。
 
ミモロもギリギリまで身を乗り出して、目を凝らしてみないと、細部までよくわからないほど、小さく精巧なものばかり…。
「あ、貝合わせ…シジミくらいの貝だね」。いいえ、小さなサイズのハマグリを選び、内側に見事な絵が描かれたもの。
「本物サイズと同じハマグリなんだ~」
「キャーちっちゃいお茶道具…ミモロの手でも使えないくらいの大きさ~」
茶の湯台子飾りです。

「こっちのお茶道具は少し大きい…」これは大人が野遊びなどに携帯したミニチュアサイズのお茶道具。
「これを使ってお茶を点てて楽しんだんです」と。「え~使えるんだ~」とビックリ。
 
小さく、そして趣向を凝らしたお茶道具には、大人の遊び心が見られます。

大人の遊び心といえば、こちらのお道具も必見。
  
雛の茶会に用いたという「網絵蒔絵雛懐石道具」など。今は珍しい本膳セットで、ここに小さな料理を盛り、菓子箱にも、小さな菓子を入れて楽しんだのだそう。「子供になった気分が味わえるお茶会だったかもね~ミモロならぴったりサイズなんだけど」と。
そんなお茶会に出たいものです。

「このお道具もすごいね~」

それはそれはちっちゃなお道具。「お雛様のお道具なの…?それにしては数が多い…」とミモロ。
 
「これは、お姫様の婚礼道具の目録…サンプルで、これとまったく同じ本物サイズの品を2セットお嫁入りに持って行ったんですよ。一つは、実際に使うもの。もう一つは飾っておくものです」
小さなお道具は、お姫様のお持ち遊び道具、つまりママゴトにも使われたそう。
「お嫁入りって言っても、まだママゴト遊びがしたい年頃だったってことでしょ。ママから離れて、寂しいね~」とミモロ。
こちらは、公家のお姫様の雛道具。

「こういうお道具を作ってもらえるお姫様や皇女さまは、嫁ぎ先が決まっている方。でも、門跡寺院などに入られる皇女さまには、これほどお道具は作られず、お人形だけということも…」という先生の説明に、なんかしんみりするミモロ。
「だって、どんなに豪華なお道具作ってもらえても、ママやパパから離されて、もう会えないなんて辛すぎる…」と庶民感覚のミモロは思わず涙目に…。

ともかく、そのちっちゃなお道具は、細かな蒔絵や金具ひとつまで、本物と全く同品質で作られます。そこがすごいのです。
「今のお雛様に付属するお道具とは、質が違うのが一目瞭然…職人の心意気と技の賜物です」と先生。


「わ~こっちは、リカちゃんハウスみたい…」御台所の品々が、これまた精巧に作られています。
 
「あ、笊、消し炭置くもの…桶がたくさん、金網もある~」と、見れば見るほど楽しくなる品々。
「これは、大阪や京都にしか見られないもので、豪商の娘さんたちが、嫁ぎ先でも倹約して、しっかりお家を守るように願って作られたものと思われます」と。

「ミモロちゃん、これわかる…」とミモロに見せてくださったのは…「羽釜でしょ…これでご飯炊くと美味しんだよね~」「そう、よく知ってますね~」
「ミモロちゃん、いくつ…?近頃の若い人に羽釜というと電気釜しか思い浮かばないないよう…」

「これもよく見えないくらい小さい…」小さな七福神のお人形。
  
「弁天さまだ~あれはだれ?」と、よく見ないとわからない、高さ1,5センチほどの芥子人形も並びます。


さて、この特別展の見どころはほかにもいろいろ。今回、ご紹介したのは、ごく一部です。

「実際に、見ないと、そのすごさと素晴らしさはわかんないかも…もっともっと見てほしいものたくさんあるよ~」とミモロ。

3月31日までの期間中、希望者には、ひな菓子「ひちぎり」がいただける呈茶(1000円)。さらに2月28日、3月13日には女の子たちによる「ひな茶会」(1000円)や、3月20日には、「陽明文庫のひな道具」という陽明文庫理事 名和修さんの講演会(1500円 呈茶付き)も行われます。(要予約)

詳しくは、「平野の家 わざ永々棟」のホームページで。
「雛さまとちっちゃなお道具~極まれるかわいさ~」は、3月31日まで、開館時間:10時から17時(入館16時30分まで)
入館料:1000円 (呈茶などは、別途料金が必要)


*今回、ミモロはブログにご紹介するため、撮影の許可を頂いて、特別に写真を撮らせていただきました。あしからず…。


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