ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

雅な京繍(きょうぬい)の世界。長艸敏明先生と純恵先生に会いにギャラリー兼工房の「貴了庵」へ

2012-02-27 | ものづくり

京都に暮らし始めて、ミモロは、能や狂言、お着物など、美しいものを目にするチャンスが豊富に。
「ねぇ、この刺繍すごく豪華で、素晴らしいねぇ」と、ある日1冊の本を眺めながら…。
ミモロが見ているのは、美しい京繍の作品の写真がいっぱい掲載された、最近出版された「長艸敏明の刺繍」という本。(世界文化社刊 本体価格3800円)

ページをめくるごとに、そこには、四季の花々や鶴やウサギなどの吉祥文様の、それは見事な作品が、次々に現れて、ミモロは、ただ見惚れるばかり。時間が過ぎるのも忘れ、ひとり本に見入っています。

その本に登場する美しい刺繍の作品をつくられた長艸敏明先生。そして奥様の純恵先生は、共に京繍(きょうぬい)伝統工芸士。

長艸敏明先生は、数々の能衣装を手がけ、その芸術性および卓越した技巧は、日本だけでなくフランスなど海外で高い評価を受けています。祇園祭の山鉾の水引幕などの制作や復元も、先生のお仕事のひとつ。

そもそも京繍は、日本刺繍の中で、特に京都で行われている刺繍で、平安時代の十二単衣や、室町時代の能衣装、桃山時代の小袖などを彩ってきた豊かな色彩とさまざまな技法を用いる、豪奢な刺繍です。

日本の刺繍の歴史は、飛鳥時代からと言われ、仏教伝来と共に、日本へ仏画の表現技法として伝わったとか。平安遷都で、それまで繍仏を作った職人が京都に移り、衣装の装飾を手がけたのが、京繍の始まりだそう。

江戸時代中期、友禅の手法が広まるまで、衣装を飾るのは、箔と絞り、刺繍がメイン。染めの着物の歴史より、織りや刺繍の着物の歴史の方が、ずっと長いんです。


「そうだ、京繍を見に行こう!」とミモロは、長艸先生のギャラリー兼工房の「貴了庵」に向かいます。

そこは、北野天満宮や平野神社にほど近い場所にある歴史漂う町家。
「こんにちはー」とミモロは、お座敷へ。

「いらっしゃいー。どうぞどうぞ…」と温かく迎えてくださった純恵先生。
気さくで、明るくてすごくチャーミングな先生に、ミモロは、すぐになついてしまいました。

奥行の深い町家には、お雛様も飾られています。趣あるお座敷を歩き回るミモロです。
「これ知ってる…」投扇興の飾りにも興味津々。


ここ「貴了庵」には、長艸先生の主宰する「長艸繍巧房」で作られた作品が多数並び、見るだけでなく、購入することもできます。(作品が購入できるのは、原則ここだけ。)
「わー素敵な帯がいろいろあるー。ミモロもこんな帯しめてみたいなぁー」と憧れのまなざし。
帯だけでなく、半襟や袱紗、バッグなどもいろいろ…。(ぜひ直接、お越しになってご覧ください)


この日は、京都のステキなマダムたちが、純恵先生の「着こなし教室」へ。ミモロも飛び入り参加することに。気軽に着物を着るコツや、美しい着方、着崩れしないテクなど、毎日お着物で過ごされる純恵先生から素敵な着こなし術を習います。
経験から作られた純恵先生オリジナル2部式襦袢は、洗濯機でも洗え、上質な質感が人気。
「上品な色の裾除け、着心地もいいよー」とミモロ。

すでにステキなお着物を着こなしていらっしゃるマダムたちも「すごく楽しくて、役に立つお話でした」と。

まだまだいろいろお話が尽きない中、用意されたお茶とお菓子にミモロは、ひとりいち早くテーブルへ。


やはりお茶の時間を察知した長艸敏明先生も、マダム達とのティータイムにくわわります。
「やぁカワイイお客さん」とギュッと抱きしめられるミモロです。
「すごいお仕事をなさる先生だけど、なんかやさしくて面白くて、いい感じ」と、しばらく続くティータイムの間、先生の膝の上ですっかり寛ぐミモロです。

「ミモロも刺繍の帯が欲しいなぁー。純恵先生の1日体験刺繍教室に参加して、いつか刺繍の帯を作ろう!」と先生の作品をいろいろ拝見したミモロの夢は膨らみます。

「これどうぞ…」と帰り際におみやげを頂いたミモロ…。
家で開けてみると、「俵屋吉富』の可愛らしいお雛さまのお菓子。

「カワイイ!お雛まつりの時にお友達と食べよう…」それまで我慢できるかな?

「お雛様の季節って、嬉しいことがいっぱい!」と、すっかり京都のお雛祭りが気に入ってしまったミモロです。


*『1日体験刺繍教室』や『着こなし教室』なども開催される「貴了庵」に関する詳しい情報は、ホームページで。先生の作品などの見学の際も事前に予約を。
*毎月第二水曜日には、東京青山でも長艸先生の刺繍教室が行われています。




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コメント (1)
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