ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

忘れるということ

2008年02月19日 22時18分12秒 | 友人・仲間
先日テレビを見ていたら、
人は亡くなった人のことを
声、顔、思い出、の順で忘れるものだと言っていました。
その芸能人は2年前に亡くなった母親の声も
もうはっきりとは覚えていないのだとか。

わたしは12年前に大学時代の仲良しの友達を
末期の胃がんで亡くしたけれど、
彼女の顔はもちろん、
頬の肌の感じや、
細くてすらりと長い指の手触りや、
ちょっとハスキーな声や、
少し息が抜けたような笑い方まで、
少しも褪せることなく全部覚えているのに。
そして今でも時々夢に出てくることさえあるというのに。

人それぞれということなのでしょうか。
それとも、無意識に記憶を消し去りたいほどの
大きな喪失感とショックが
その人にはあったのかもしれません。
そしてそんな風にして
失った悲しみから立ち直るしかなかったのかも。

わたしはずっと忘れないことで立ち直った気がします。
彼女が死んだ時、何があっても自殺はしまいと誓いました。
彼女がどんなにしても生きられなかった人生を
一緒に生きるつもりで、何があっても行きていこうって。

生きられなかった人生を味わいたくなったらいつでもおいで。
あなたならいつ帰ってきてくれても怖くなんかない。
わたしと一緒におばちゃんになって、
それから一緒におばあちゃんになって、
階段上がる時、一緒によっこらしょとか言ってみる?
大した人生は味わわせてあげられないけれど
当たり前のありふれた人生がどんなに幸せか
わたしはあなたに教えてもらったのだから。

そしてまた、時が来たら、向こうで会おうよ。
その時はお願いだから、
わたしもあなたに別れた時の姿に戻ってもいい?
しわくちゃのおばあちゃんと、
初々しい新妻のままじゃずるいから。

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