毎日、お暑い中、いかがお過ごしでしょうか?
こんな暑さを吹き飛ばす、寒~い 怪談映画は、如何でしょうか?
紹介します、3本の映画は、日本の映画史上でも傑作と誉れの高い3作。
特に、8月6日深夜(7日未明)に放送される、
「東海道四谷怪談」は、カルト的な支持を集める怪作。
主演の天知茂さんを見れるだけで、オールド・ファン垂涎。
*天知さんの明智小五郎シリーズは、放送当時の子供にとってドキドキの作品でした。
その、ドキドキ感は、ウフフッ。今では、あんな作品を作るのは難しいのかな?
7日夜の「怪談」は、有名な小泉八雲の短編を4話。
5日夜の「雨月物語」は、幽玄の美。
「羅生門」の京マチ子さんの美しさは、絶品。
日本の映画史上、最も妖しい花が咲いた瞬間をお見逃しなく。
~以下、NHKホーム・ページより転載。
衛星映画劇場「東海道四谷怪談」
放送局 :BS2
放送日 :2008年 8月 6日(水)
時間 :翌日午前0:40~翌日午前2:00(放送終了)
【内容】
四世鶴屋南北作の歌舞伎狂言を怪談映画の巨匠:中川信夫監督が映画化。
妻・お岩を毒殺し、別の女性と所帯を持った浪人・伊右衛門が、
お岩のおん霊にたたられ破滅の道をたどる。
お岩と所帯を持つことを懇願した際、
彼女の父親にののしられた伊右衛門は激情に駆られ父親を斬ってしまう。
そこを直助に見られて以降、何かと弱みに付け込まれ・・・。
何度も映画化されている中でも最高傑作との呼び声高い一編。
【監督】中川 信夫
【出演】天知 茂
北沢 典子
若杉嘉津子
江見俊太郎
池内 淳子
ほか
~1959年 新東宝制作~
【企画】小野沢 寛
【製作】大蔵 貢
【原作】鶴屋 南北
【脚本】大貫 正義
石川 義寛
【撮影】西本 正
【音楽】渡辺 宙明
衛星映画劇場「怪談」
放送局 :BS2
放送日 :2008年 8月 7日(木)
時間 :翌日午前0:50~翌日午前3:55(放送終了)
【内容】
世界的巨匠小林正樹監督が、
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンによる怪談を映画化したオムニバス作品。
*夫に捨てられた妻の情念を描く「黒髪」。
*人間の男と結婚した雪女のつかの間の幸せと悲しみを描く「雪女」。
*平家のおん霊に取りつかれた盲目の琵琶弾きを描く「耳無芳一の話」。
*茶碗の中に映った見知らぬ男が後に目の前に現れる恐怖を描く「茶碗の中」。
の4作から構成される。
<カンヌ映画祭審査員特別賞受賞。>
【監督】小林 正樹
【出演】三國連太郎
新珠三千代
渡辺美佐子
仲代 達矢
岸 恵子
ほか
~1965年 文芸プロダクション/にんじんくらぶ製作~
【製作】若槻 繁
【原作】小泉 八雲
【脚本】水木 洋子
【撮影】宮島 義勇
【音楽】武満 徹
衛星映画劇場「雨月物語」
放送局 :BS2
放送日 :2008年 8月 5日(火)
時間 :翌日午前0:40~翌日午前2:18(放送終了)
【内容】
上田秋成の短編「浅茅ヶ宿」「蛇性の婬」と、
モーパッサンの「勲章」をもとに構成した幽玄美譚。
ヴェネチア映画祭銀獅子賞受賞をはじめ、
国内外で高い評価を得た溝口健二監督の名作。
戦国時代、田舎で陶工をしていた源十郎が、
侍になることを夢見る義弟と旅に出るが、
やがて欲望のむなしさを知ることになる。
溝口健二監督が上田秋成の短編「浅茅が宿」などをもとに構成した作品で、
幽玄妖美な世界を名カメラマン宮川一夫がモノクロで見事に映像化し、
ベネチア映画祭銀獅子賞をはじめ国内外で高い評価を得た傑作。
【監督】溝口 健二
【出演】京 マチ子
森 雅之
田中 絹代
水戸 光子
~1953年 大映京都制作~
【企画】辻 久一
【製作】永田 雅一
【原作】上田 秋成
【脚本】川口松太郎
依田 義賢
【撮影】宮川 一夫
【音楽】早坂 文雄
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*怪談夜話2009:怪談映画/話芸/Jホラーの秘密(NHK)
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/e/76a9a3797e1286d14e6035e1dc848d5d
お役に立てて嬉しく思います。
小林正樹監督の怪談は美しい映像で怖いと言う感じも吹っ飛ぶ名作でした。
でも「黒髪」の三國連太郎さんの迫真の演技は恐かったですが…。
この映画のハイライトはやはり「耳無芳一の話」。
デジタル映像でない時代の耽美な絵巻物に驚嘆しました。
カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞した日本映画黄金期を代表する作品です。
たぶん上田さんがご覧になられたオム二バス映画が、
小林正樹監督の【怪談】だと思います。
コメント2で日本映画の黄金期と記入しましたが、
1964年(昭和39年)はまさにテレビが大衆に普及。
(皇太子殿下のご成婚と東京オリンピックの時代)。
興行としての映画の衰退期に入った時代の作品です。
そのため小林監督は映画【怪談】に全精力を傾け制作会社が破産。
財を残さず作品を残しました。
雨月物語は怪談と言うよりも幻想美(幽玄)の映像表現。
リアリティとシュールの組み合わせが絶妙です。
1953年(昭和28年)の日本の文化水準の高さに驚きを覚えます。
怪談、ホラー、オカルト。
いずれも社会認識(文明化と科学の発達)の中で低俗と決め付ける方もありますが、
人間心理を探求をする上で怪異の創造が如何に歴史を創作する上で重要であったか?
怪異文化の歴史の探訪は宗教的真理の根源(善悪の基準)に行きつく。
2009年8月26日。
怪異を調べながらそんな風に感じます。
<関連記事>
*最恐!怪談夜話:番組感想と国宝怪異絵巻。
http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090825