mimi-fuku通信

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Newsweek日本版:『完全保存版・ジョブズ、天才の軌跡』雑誌紹介。

2011-10-13 23:30:00 | 文芸・思想・書物

 10月12,13日と出張だった。
 御徒町の書店で偶然見かけたニューズ・ウィーク。
 先般亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の特集。
 今夜も少しだけジョブズ氏を回想したい。

2011.10.19号(10/12発売)
『完全保存版:ジョブズ・天才の軌跡』
2011年10月19日号(10/12発売)

 雑誌のページ数は80ページ。
 その内19p~67pまでがジョブズ氏&アップル関連の特集で、
 正味45ページの記事はNewsweek(ニューズウィーク)ならではの切り口。
 私が頭に描くジョブズ像通りの誇張なくありのままの等身大が語られている。

 私はジョブズ氏を、
 “100年(世紀)に1人のカリスマ経営者”
 と文字にしている。
 *本文
 http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20111006
 
 実際にジョブズ氏よりも優れた経営者は古今多く存在するだろう。
 しかし、
 ジョブズ氏ほどに“カリスマ的な存在”に神格化された経営者は類を見ない。
 *日本で言えば松下幸之助氏が伝説の経営者として現代にも語り継がれる。

 その理由として考えられる両氏の共通点は、
 ”経営哲学の表立った自己主張(伝達)”

 ジョブズ氏のプレゼンテーションは、
 まるでエンターテインメントのような注目を集めた。
 ジョブズ氏の巧みな言葉の表現は“人々をその気”にさせた。
 ジョブズ氏のストーリーは紆余曲折と成功と落伍が交互に訪れた。
 そんな物語に興味がある方にとって450円で手に入る最良の良書。
 それがニューズ・ウィーク(2011年10月19日号)最新号なのだろう。

 昨晩宿泊先のホテルの一室で深夜一気に読み通した。
 1時間30分程もかかっただろうか?
 雑誌を読み終えた感想は(Newsweek誌の)明快な構成。
 多くもなく少なくもない適度な情報量は読み手を安心させる。
 もし同じ情報量をWebに求めれば10時間以上もかかるだろう。
 それでも同じ内容量を自己に記憶(吸収)させることは困難。
 ペーパーとWebの大きな差は手に入れた情報の安定的保存。

 Newsweek誌の豊富な写真はアップルの進化を伝え、
 壮若のジョブズ氏の軌跡や、お洒落(ファション)の変化。
 ジョブズ氏の過去のゴシップからジョブズ氏への他者からの評価。
 そして浮かび上がるジョブズ氏が求める美意識(シンプル・デザイン)は、
 音楽と禅に深い共鳴を覚えたジョブズ氏が目指す方向性。
 *ジョブズ氏の禅は永平寺で修業を積んだ乙川弘文氏との深い関係。

 読み進みながら、
 ふとジョブズ氏の美意識の中にある日本文化に根付くシンプル性。
 禅の美術を学ぶ時に誰もが気付くであろう簡潔な美意識。
 禅と茶道に共通する美意識(精神文化も含め)については、
 鈴木大拙氏の名著:『禅と日本文化』に詳しい。
 *余談ながら10月18日:金沢市に鈴木大拙館がオープン。
 
 日本的な美意識として有名な、
 *桂離宮(江戸期の王朝文化)⇔日光東照宮(武家の権威象徴)。
 *茶室:待庵(千利休)⇔黄金の茶室(豊臣秀吉)
 *松林図屏風(長谷川等伯)⇔唐獅子図屏風(狩野永徳 )
 の対比は広く知られる。

 また読み進みながら、
 *ウッド・ストックとカウンター・カルチャー
 *ボブ・ディランが結んだジョブズとウォズニアックとの絆。
 *ビートルズのヒストリーと若きジョブズのインド放浪。
 そんな事が頭の中を駆け巡った。

 ジョブズ氏がiPodに賭けた夢と理想。
 ジョブズ氏が得意とするプレゼンとディランやレノンの卓越したメッセージ。
 ジョブズ氏が愛したカルチャー(音楽とデザイン)の具現化としての商品開発。

 やはり“アップル”の意味はビートルズ?
 もしかして“マッキントッシュ”の意味は高級アンプへの憧憬?
 そして、
 もしかして
i”の意味は愛?

 読み進みながらの色々な想像は楽しい。
 様々な事象を結びつけていく想像の楽しさ。
 今夜はそんな戯言を少しだけ。

 一番興味深かった記事は?
 奥様(ローレン・パウエル)との出会いとその日の決断(p30)。
 “今日が人生最後の日だとしたら、
 俺は彼女より仕事仲間を選ぶだろうか?”
 1年後2人は結婚した。

 また、
 ジョブズ氏の実妹は米国では著名な小説家:モナ・シンプソン(p26)。
 *兄妹の存在を知ったのはジョブズ氏が30歳を超えてからとされ、
 生活環境ではなく血筋が持つ神秘性を感じる事例として興味深い。

 もし書店で見つけることがあれば…。
 今週の私のお薦めです。

 *****

 以下新刊。
 スティーブ・ジョブズ I
 ウォルター・アイザックソン(著)
 講談社

 

 スティーブ・ジョブズ II
 ウォルター・アイザックソン(著)
 講談社

 

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