一昨日(2009年4月11日)の夜、
仲の良い友人が9時過ぎに来宅し翌朝の3時位まで世間話をしました。
特に経済の話題に時間を割き予想以上のロング・タイムになりました。
友人は昨年の10月頃から株取引を始めたので、
株価の話をしながらの経済談議は有意義な時間でした。
このブログ内の記事で、
『世界同時不況:FRBの決断』
と言う経済メモに首を傾げた人も多いと存じます。
何の感想も書かずに<FRBの決断>とタイトルを付けられても?
と言った感じだと思います。
FRBの発表があった3月18日以後日米の株価は上昇し、
3月20日~4月10日の20日間の短期間で、
7000円の揉み合いが、
9000円の揉み合いに変化しています。
(バブル経済後の最安値を更新した3月10日の終値7054円から、
4月10日の終値8964円と約1ヶ月間に2000円に迫る急上昇。)
この株価の大幅な上昇を見た20日の間に、
ロンドンでのG20宣言があり、
日本でも15兆円を越える追加経済対策を打ち出し、
投資家の心理面はプラスに転じたようです。
*FRBの決断の意味するもの。
それは日銀の決断をも意味するのではないか?
そんな自論を友人と話しました。
15兆円規模の追加経済対策。
その財源は国債の発行で補う。
<G20の共同宣言=国際協調>
の重要性を考えれば追加経済対策の足並みを揃え、
恐慌不安を払拭する必要性を否定することはできません。
しかし、
国債発行額の大きさと財源不足のバランスを考えると、
疑問を持たれる方が多いのも事実です。
<国債の買取。>
これまでの場合は、民間銀行や保険会社などに矛先を定めていましたが、
縮小する経済化での金融の固定(国債の買取)が従来通りに実行されるかは、
不明です。
*FRBの決断の意味するもの。
それは半年間に中長期の国債を最大3000億ドル(約29兆円)買い取ること。
今後日銀が決断すべき課題の答えは何か?
FRBの決断は、
今後のアメリカ経済のインフレ懸念を深刻化させたように感じます。
デフレに強い銀行預金に対してインフレに強いとされる株式保有。
インフレ懸念の問題は、
国債買取を履行したことで今後の買取に歯止めが利かなくなるとすれば、
銀行券の増刷=キャピタル・フライトを起こしかねない状態になります。
そのため今回の株価上昇の投機心理には、
通貨への信用不安の増大があるのではないか?
そんなことを友人と話しました。
*FRBの決断の意味するもの。
仮に日銀が追加経済措置~今後の財政不足の受け皿になるとすれば、
<日本も対外社会(世界)に対してキャピタル・フライトの危機が増す。>
と考えるべきなのかも知れません。
国内の資産(預金)が固定されている現状下での、
財政出動が必要なことは理解できます。
しかし、
金融機関への預金残高が1500兆円あっても、
金融機関からの一般貸し出し残高がどのくらいあるのか?
その貸し借りの不安定なバランスの中での国庫として個人(企業)の預金残高が、
国債に廻され無駄なものに消費されることを見過ごしてはならないのではないか?
そんなことを友人と話しました。
デフレ経済に強い預金体質。
しかし、
日本国は1990年以後のデフレ傾向の中で大量の借金を抱え込みました。
デフレ経済に弱い借金体質。
1990年以後の日本の格差社会は、
デフレ下での足元の弱い個人や企業に襲いかかりました。
賃金が上がらない中でのローンの返済。
売り上げや利益率の確保が困難な中での借り入れの返済。
安価なモノを求める国民気質。
誰も儲からな社会体系が生まれました。
逆に一定の収入や預金を保持している人達にとって、
物が安くなる中での生活は知らないうちに家の中に商品が増えていく。
そんな現実(生活)を実感したのではないかと感じます。
「今のデフレ体質が国家の借金返済を困難にしている。」
との論も耳にしますがインフレになればいいのか?
これまでの世界でインフレを歓迎した国家は皆無だと認識しています。
インフレとは通貨の価値を下げることで、
インフレになって経済が上向くことは絶対にありません。
*経済が上向きな状態でのインフレ(預金金利上昇等)は歓迎できますが…?
可能性として例えれば誘導型インフレ
(消費税を段階的に3年に5%づつ10年間で20%まで引き上げるなど)によって、
今買っておいたほうが安いからと購買心理を煽ると言った手法が有効なのかは、
議論の対象になるのかもしれません。
しかし、
キャピタル・フライト等による対外的な信用収縮による物価の上昇は、
国民生活を困難の極みに陥れます。
「対外貿易での通貨の下落が輸出国日本にとって有利に働のでは?」
との見方もあるかも知れませんが、
新興国を交えたグローバル化の中での信用収縮は、
より一層の海外工場移転が増大するかも知れませんし、
仮にキャピタル・フライトが起きた後での大増税により、
企業の所在を海外に移す可能性もあるかも知れません。
(ただし日本の賃金が新興国並みの低水準に抑えられれば別ですが、
それは同時に生活水準を新興国並みに下落させる意味もあります。)
1989年のベルリンの壁崩壊=資本主義社会の勝利(安定社会の有効性)。
1990年のバブル崩壊以後の世界で同時に進んだグローバル経済の流れ。
1995年以後のパーソナルレベルにおける急速なデジタル革命(均等型社会)。
日本国内の1500兆円の預金は預金者のモノです。
国債の発行とは裏を返せば、
預金者や保険契約者のお金を預金者の承諾を受けずに、
国家と金融機関同士でやり取りをする作業です。
国は税金を徴収し税金の中での予算のやり繰りを履行することが、
国民への回答であるべきなのに無制限な借金を増やすことで良しといった、
現状の経済対策に疑問を持つことは誤りではないはずです。
つまりは、
予算の中での無駄をなくし、
予算の中での景気刺激が、
大原則であることには変わりがありません。
デフレ下での国債残高の増大。
国家は破綻しませんが対外信用の収縮によって、
国民は手痛い代償を将来払わざる得ない現実。
それは、
80代よりも50代。
50代よりも20代。
子孫に対する手痛い代償。
使われない預金(個人資産)を国が変わりに使う。
恐慌対策としての手段としては一番効果的ではありますが、
それは同時に必要の無い物(事業)にお金をかけるといった、
愚かな現実が再び起きることの無い様に願うだけです。
郵便簡易保険者の加入した資金から、
2400億円の大金を使い建設した公共事業(簡保の宿)が、
僅か109億円で民間会社に売却されようとした真実。
国有財産として無効になるような建設や事業。
30年後のガラクタを造る事の無能な計画。
また、
壊すにも建設費の5分の1の解体・廃棄資金がかかると言われる鉄筋建築。
30年後の費用のかさむゴミを子孫に残すための事業計画。
(法隆寺や東大寺のような1300年も前に造られた国家事業との比較。)
それは、
80代よりも50代。
50代よりも20代。
子孫に対する手痛い代償。
富める者が手にする用地買収資金(=税金)。
それはあらゆる地方行政においての現実。
しかし、
続行される従来型事業とバブル以前の古い事業計画。
変化する社会と意識に対しバブル以前から変わらぬ事業目標。
希望の変化を感じ取ることができない固定観念(事業目標)が、
社会を閉塞する事に気付かぬ行政発動。
それに使われ続ける税金と不足を補う国債の発行。
既に言い尽くされた議論です。
新しい追加経済対策に希望を持ちたいと思いますが、
古い希望なき事業計画の見直しと不安を払拭する新たな事業計画。
多くの方々にとっての不安とは、
<自然の驚異や医療の弱体。>
さらに、
<健康への不安や病後の生活。>
また若年者にとっての漠然とした将来への不安は、
<現実的に起きている雇用危機。>
なぜお年寄りがお金を使わないか?
<国家の無作為な浪費行動と老後の収入の減少予測。>
・個人預金者と思いとしての不安に対する預金への依存と、
・国家の行動としてのその個人預金を当てにした膨大な財政出動。
<その可能性として存在するキャピタル・フライト後の超インフレ。>
続行される従来型事業とバブル以前の古い事業計画。
変化する社会と人々の意識に対しバブル以前から変わらぬ事業目標。
希望の変化を感じ取ることができない固定観念(事業目標)が、
社会を閉塞する事に気付かぬ行政の発動。
それに使われ続ける税金と不足を補う国債の発行。
しかし、変わらない現実。
それは、
80代よりも50代。
50代よりも20代。
子孫に対する手痛い代償。
ふ~っ。
ひとつ溜息をつきました。