「被災者を招く自治体ないか」
以下原文
2005年8月。アメリカに大型ハリケーン・カトリーナが上陸した時、日本人の感覚からは見慣れない光景があった。大統領が非常事態を宣言し、ニューオーリンズ市当局が避難命令を発動。100万人を超える人たちが大移動したのだ。日本でも2000年の三宅島噴火では、全島避難が実施されている。
ただ、地震災害では災害地域内での避難が一般的で、人々はなお危険な地域で身をすくめながら災害援助を待っている。
カトリーナの折も、移動手段を持たない低所得の人たちが取り残されたという。阪神大震災でも、別地区のホテル住まいを出来ない多くの人々は、避難所にいるしかすべがなかった。
今回の地震でも、被災地以外の自治体は被災地に人や物資を送り込んではいるが、被災者を受け入れるといった報道を聞いたことがない。
全国からボランティアが被災地に入り、復興に協力する姿には感動する。だが、同時に被災地の弱者を受け入れる自治体が現れてくることを、私は切に希望する。