『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

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汎銀河帝国 その2

2017-05-11 | 設定:歴史
一般に「汎銀河帝国」が成立したのはこの時とされている。その後、アレッサンドラ女帝は祖父チェーザレ一世を初代、父チェーザレ二世を二代皇帝であると正式に宣言した。アレッサンドラ女帝自身は市民からそれほど認知されておらず、祖父と父の人気を取り込む意味があったと同時に、すでに国家としての体裁を整えていたウーラント軍よりも以前から成立していたと主張する意味合いもあった。
汎銀河帝国という名称がどこから来たのは今となっては明確ではない。アレッサンドラ女帝とクラウス・リンツ、そして少数の取り巻きの間で決定されたという。しかしそれ以前から、一般市民がバイロン一族を元首とした実在しない星間国家への呼称の一つに「汎銀河帝国」があったのは確かである。アレッサンドラ女帝らは単にこれを採用したに過ぎない。
自ら皇帝を名乗ったアレッサンドラを、市民は警戒するどころか熱狂的に迎えた。市民議会やいわゆる良識派の人々は「自称皇帝」「チェーザレ二世のような形だけの地位」と冷ややかだったが、アレッサンドラ女帝とクラウスは市民の支持を背景にじっくりと「帝国」を形成していった。
「帝国の設計者」と呼ばれるように、一連の行動は全てクラウスの発案による所が大きい。しかしアレッサンドラは完全に操り人形だっただわけでもない。若き日にアレッサンドラが残した文章からも、祖父を「皇帝」と呼び、帝制こそが人類社会を安定させると考えていた事が分かる。
アレッサンドラ女帝が単なる操り人形でなかった事は、意外ではあるが後継者にクラウスを指名した事でも分かる。
クラウスは皇帝位をバイロン家で継承するべきと考えていた。しかしアレッサンドラ女帝には子供がおらず、病に伏した後は再びバイロン一族内で後継者争いが勃発しようとしていた。このままでは帝国と皇帝の権威が保てない。そう考えたアレッサンドラ女帝はクラウスを次の皇帝に指名したのである。
クラウスは困惑したが、客観的に考えるなら、確かに適切な後継者は自分しかいない。結果的にアレッサンドラ女帝の願いを受け入れ、クラウス・リンツはリンツ朝初代皇帝として即位した。
「帝国の設計者」は皇帝となってから帝国の制度を着実に整備。こうして汎銀河帝国はリンツ朝クラウス帝の時代には完全に成立した。
多くの人々にとって「汎銀河帝国」という国家は、いつの間にか、気がついたら存在していたという不可思議な帝国なのである。
汎銀河帝国を成立させたクラウス帝であったが、彼もまた後継者には恵まれず、一度、その座を退いて復位するなど苦労を重ねた挙句、選帝侯制度のアイディアのみを残して没したため、それが選帝侯戦争の引き金となってしまったのである。
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