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※下記の作品はコメディですがエッチ系の小説です。
この手の話が苦手な方は必ずスルーして下さい。
童貞じゃいられない
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4話
私に恥をかかせた彼
やっとロストバージンできそうな彼ができたと思った1985年の秋。
でも結局この恋愛はまともなものとは言えなくて終わってしまったけれど、男という生き物はしっかり隅々まで見極めなければならないと気づかせてくれた経験にもなった。
ゴースケくんは優しかったし甘えさせてもくれた。
けど……けど変態だった。
21歳の私がまだ子供じみた甘酸っぱい恋愛を夢見ているのもおかしな話だけど、初めて本気で好きになった人がいきなり変態だったというのはあり得ない。
決して私は自分の理想だけを求めるようなわがままを主張をしてるわけじゃない。
人は誰しも欠点があるわけで、完璧な人間なんているわけないし、逆にそんな人がいたら私がついてゆけなくて、精神的に疲れることくらいわかってる。
だけど私の中では変態はあり得ない。エッチな人と変態は違うと思う。
──なぜゴースケくんは車の中でばかりエッチするんだろう?
破局のきっかけになったこの日も、コンポから安全地帯の曲、碧い瞳のエリスが流れてムードは決して悪くなかった。でもやっぱり車の中。
ここは建物の中の立体駐車場。さっき交差点で横付けされたダンプのおじさんもいない。うす暗くて誰にも見られない安心感もあり、抵抗感のなくなった私は身をゆだね、彼の舌と指テクに陶酔していった。
コンポの曲がC-C-Bのロマンティックがとまらないに代わり、ムードが一変しそうになたけど、主題歌になっているドラマの影響のせいか、なんだか余計にエッチな気分になっちゃって、
「やん、ダメぇ!もうイっちゃう……イッちゃうよぉ~」
と恥ずかしい言葉を口に出し、体をのけ反らせてビクビクっと果ててしまう自分がいた。
彼との仲がこじれたのはこの後に起きた出来事だった。
トイレに行きたくなった私は彼にことわって、三階の立体駐車場から百貨店内の化粧室に入ったときのこと。
便座に座りながら『車に戻ったらいよいよCまでしちゃうのかな?』
なんて考えていると、何やら人の足音がバタバタと近づいてきて、洗面化粧台の前で女同士のおしゃべりが始まった。
「すごかったねー。大胆ってゆうかさ」
「うんうん。でもさ、あんなとこでするなんて、声聞かれると思ってなかったのかな?」
──え?え?……なんかやな予感。もしかして; ̄_ ̄)
「聞かれるっていうか、見られたが興奮するタイプっているでしょ。それよきっと」
「えーっ?ウソ!離れたとこに車停めてたんだから見られたくなかったんじゃないの?」
──あ、やっぱり私のことだ
「窓少し開いてたじゃない。あれわざとだよ。ちょっと声を聞かせておいて見られるかもしれないっていうドキドキ感が刺激的なのよ」
──Σ|ll( ̄▽ ̄;)||l窓開いてた?そんな…
「見られていいなんて思うの、きっと男の方だよね?」
「どっちもよ。女の声も淫乱っぽかったし、声聞かれたいのよ」
「あー、だよね。AVみたいな声だったし」
──ちがーう!私はAVなんか出てないーっ!ヽ(`⌒´)ノ
「でしょでしょ?普通さ『ダメぇ、イッちゃうぅ~』なんて言わないっしょ」
「きゃははは(T▽T)ノ_彡☆ばんばん!ちょっとマネしないでよ」
「え?もしかしてナオミもエッチのとき、イッちゃう~って言ってたりして?」
「言わないよーそんな恥ずかしい言葉。もぉーあたしに振らないでー」
──∑(゜∇゜|||)ショック!ゴースケくんがイクときはちゃんと言えってゆうからそうしてただけのになんでよおぉー!
「でもあのカップル、一日何回エッチしたら気が済むんだろうね?」
「それを偶然何回も目撃した私たちもなんというか(*≧m≦*)ププッ」
──え?え?どういうこと?( ̄□ ̄;)
「信号待ちのとき、たまたまルームミラーで何気に後ろの車を見たときから変だと思ったのよ」
「ちえりはいつも鋭いよね」
「よく見たら誰でもわかるよ。助手席の女がせつなそうな顔で首を左右に動かしてるんだよ。それを運転席の男がニヤニヤ笑いながら見てるんだもの。男の手の位置は見えなかったけど、絶対に女のアソコに決まってるわ。キャ、私やらしいこと言ってる(*v.v)」
──ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!! ま、まさか……まさか横のダンプのおじさんだけじゃなくて、前に並んでいた車にまで見られてたなんて!
私はこの日襲ってきた二度の極度な羞恥心と心の衝撃で頭に血が上り、目まいを感じたせいで、横の壁に体を軽くドンとぶつけてしまった。
「ハッ(゜〇゜;)誰かいるんじゃない?もう行きましょう」
「私たち、ちょっと声大きかったかな?」
「小声で話したつもりだけど私」
──いえいえ、あんたらは充分声でかかったわよっ!
その後、私は数分間、ここに座ったままでいた。
今すぐここを出たら、今の二人組がまだいるかもしれない。話からすると、間違いなく私は顔を見られている。
そもそもこんな目に遭うのはゴースケくんのせいだ。
エッチするならちゃんと家の中ですればいいのに、外でしかこんなことしないんだもの。
正直、私のバージンをカーセックスで失うなんてイヤ。それは今もそう思っている。
よし、決めた!Bまでなら許していた車の中も、これ以上はもうお断り。
すぐ彼に言おう。車の中でするのはもうイヤだと絶対に言おう。
そう私は意を決して、ゆっくりと化粧室から出た。
更なる悲劇はこのすぐ後だった。
立体駐車場へ歩いて戻る途中、背後から聞き憶えのある声が……
「ちょっとちょっと、あの子あの子、カーエッチしてた子よ」
「シッ!聞こえるってば。わかってるって」
───う!
私の背筋に氷が走った。
──な、なんでまだいるのよおぉぉ!Σ(ノ°▽°)ノ
(続く)
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