随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~靖国反日のまぼろし

2005-10-27 21:12:44 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「靖国反日のまぼろし~メディアが伝える「アジアの怒り」は虚像にすぎない」でした。今回の小泉総理の靖国神社参拝で韓国と中国の怒りが爆発、というイメージは「虚像」である、との内容になっています。今回は前回の時のような大規模な反日デモが発生していないのは、これは「靖国疲れ」の空気の現れであるとしています。

このへんの感じで思い出すのが、東西冷戦時代ですが、冷戦開始当初からキューバ危機のあたりまでは、いつ世界大戦になるか、という緊張感がありましたが、冷戦後半になると、マスコミ報道上での非難合戦程度になってきたことです。私自身も、新聞を読んでいて、片方の陣営が何かすると、条件反射的に、もう一方の陣営の政府なり、政府系機関誌なり、放送局なりが非難声明を発表する、といったイメージがあります。今回の靖国神社参拝でも、あらかじめ非難声明の原稿ができていて、それを発表した、という感じがあります。

冷戦時であれ、いかなる時代であれ、テーブルの上では非難合戦を繰り広げていても、テーブルの下では手を握る(あるいはその逆)、というのが「外交」であると思っています。マスコミ報道だけを聞いている庶民には、「全ての近隣国と外交問題を抱え、日本は孤立」している、とのイメージを持ってしまいますが、それは正しくないと思われます。独立国どうしで、「両国間の懸案は全くなく、首脳会議では両首脳が仲良くキャッチボール」などという関係はあり得ないわけで、本当にそうだとしたら、その両国は、「宗主国と属国」になってしまいます。

最近の「反日デモ」などを見ていると、デモの目的は何であれ、あの「パワー」のすごさを感じています。日本があのくらいのパワーでデモをしたのはいつが最後だろうか、などと考えてしまいます。これは日本人が成熟したのか、おとなしくなってしまったのか、わかりませんが、あの反日デモに対抗して嫌韓・嫌中デモなどが起きなかったのは良かったと思っています。

このほかに気になった記事としては、「鳥インフルエンザ」関連の記事でした。前回のSARSは「飛行機による感染拡大」でしたが、今回は「渡り鳥」が原因となっているようです。どちらにしても、あっというまに世界中に感染が拡大する可能性があり、早くも世界各国が厳戒態勢に入っているようです。いまのところ、ヒトからヒトへの感染はないようですが、もし、感染できるように変異したら、かなり危険な事態になるようです。しかし、ちかごろは異常気象や地震・災害が立て続けに起きるように感じるのですが、気のせいだろうか、そのたびに詳細に報道されるため、意識が過敏になっているのだろうか。