随所随縁

所に随(したが)い、縁に随い、時に随い、想いに随い、書き留めていきたい。

今週のNEWSWEEK誌より~グローバル最強企業ランキング

2005-10-06 23:05:06 | NEWSWEEK日本版



今週のNEWSWEEK(日本版)の表紙は「グローバル最強企業ランキング~41業種別835社本業の強さで測る勝者の条件」でした。

NEWSWEEK誌が、「グローバル企業の実力」というのを、本業の儲けを示す「営業利益」で分析し、ランキングを紹介しています。今年度営業利益ランキングの1位はアメリカの石油会社、エクソンモービルで、営業利益は約360億ドル!100万円で「たくさん」と思う金銭感覚からすると、(1ドル115円として)その40万倍になります。その辺の数字はちっとも現実感が湧かないので、なんとなくランキングを眺めていると、IT時代とはいえ、まだまだ、エネルギー・鉄鋼・重工業などの「重厚長大」企業が数多くランクされているのがわかります。また、ベスト100の中でアメリカの企業が41社を占めており、アメリカ企業のグローバル性やアメリカ式経営の強さを感じさせます。

ただし、合併すれば当然営業利益は2倍にも3倍にもなるわけで、昨年度からの伸び率が4000%などという企業もあります。これは合併前の企業がそれぞれに利益をあげていたということに過ぎず、次年度以降にその実力がわかるケースだと思われます。

世界ランキングですから、当然、全世界をマーケットにしているグローバル企業が強いのですが、ぽつりぽつりと、各国の独占的な電信電話会社(日本でいえばNTT、そのほか、BT、フランステレコム、ドイツテレコム、テレコム・イタリアなど)がランクされているのも特徴的です。外国企業を参入させず、国内マーケットだけでこれだけの営業利益を上げられるものなんですね。

また、各業種でのランキングおよびその分析も掲載されています。エレクトロニクス業界では、一位はIBM、2位はキャノンでした。現在は成長の主役はパソコンからデジタル家電を含めた家電製品にシフトしており、決め手は、「皆がほしがる製品を開発しつづけること」にあるようです。iPodなどはその象徴とも言えるかもしれません。また自動車業界の分析では、タイトルが「がけっぷちのGMとフォード」となっており、トヨタの一人勝ちの状況に見えますが、数値を見れば、営業利益も、伸び率もなかなかで、どうしてこのような分析になるのかがよくわかりません。

その他、鉄鋼、石油・ガス、通信、医薬・バイオ、食品、小売、ネット小売などの業種について分析がなされています。このようなランキング表と分析結果を眺めてみると、営業利益のほかに、売上高、営業利益率、ROE(株主資本利益率)などの指標が掲載されており、いろいろな状況が見えてきます。たとえば貿易業(商社など)は花形業種のようですが、軒並み営業利益率は2%前後、バイオ・医薬品の企業が30%前後ですから、その10分の1以下になっています。また、「ブランド」産業は、営業利益率は高そうに見えますが、10~20%前後のまっとうな数値となっています。また、同じ業界内で営業利益がほとんど同じでも、売上や営業利益率、ROEのケタが違っている場合もあり、「企業の強さ」とは何なのか、考えさせられます。