蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

若気のいたり

2008-08-12 | 人生
真摯に結婚を申し込んでくれた、その人は、私より11歳年上だった。
親にも、結婚相手として最高だと強くプッシュされた。
「そんなに薦めるんだったら、お母さんが結婚したら!?」
と、私は聞く耳を持たなかった。
当時、学校を出たての私は、まだ22歳になったばかりで、
売りは、若さだけだった。

まだ遊びたい年頃でもあり、わくわくする魅力を求めていた私は、
渋い、落ち着いた男性は、異性として目に入らなかった。
人間の価値が、深くわからなかった。

やんわり、柔和な笑顔を見せてくれるその人は、
芯は気高く、誇りをもっておられた。
かといって自分のことを自慢するわけでもなかった。
思慮深く、深い慈愛に満ちた、人徳のある、教養あふれる立派な方だった。

そのあたり、自己PRを強烈にしてくれていたら、
私も結婚していたかも知れない。
なぜ、もっと、しっかり具体例も織り交ぜて、
プレゼンテーションを行ってくれなかったのか、
(はっきり説明してくれないと、おバカにはわからない)
今となれば、逆恨み状態だ。

あの人のことを色々な記事等で、あれこれ知るにつれて
他人に、押し付けがましくアピールしないところが、
あの人の素晴らしさだと、後になって、気付いた。
能ある鷹は爪を隠す、だ。ほんと。

自業自得とは言え、逃した獲物は大きい。
親の言うことは、素直に聞いておくものだ。

若気のいたり。まさに、その通り。
あの人にふさわしいレベルに自分が達してなかった、という結果なのだから。
私はキラキラ光るものに憧れていたが、
実は、「チャラチャラ」していただけ、だったのだ。


新婚1年目に、早くも
「しまった・・あの人と結婚していれば・・・」と思った。
しかし、子供を産み育て、日々の生活に忙殺されているうちに、
すっかりその人のことは頭から消えた(ように思えた)。
それが、また、ひょんなときに、「ああ、あの人と結婚していたら・・・」
という思いが、頭をよぎったりする。
が、あれこれ考えても、無駄なこと。なんの足しにもならない。

そんなことは、百も承知だが
この年になって、自分が選び、歩んできた人生の、中盤答え合わせ、
自己採点しようとしているのだろうか。
今なら、まだ修正がきく、仕切りなおしができる、とでも言いたいのか?
自問自答。答えは自分で考えるしかない。

もし、あの人と結婚していたら、
今いる、愛する子供たちは、この世に誕生していなかったのだ。
それに、よく知りもしないで、あの人を美化し、偶像化しているだけで
実はすごいアル中かも知れないし、
ペッチャ、ペッチャ、すさまじい音を立てて、ものを食べるのかも知れないし、
外面がいいだけの、家では元気のない人だったかも知れない。
第一、私が、地方の静かな生活に、満足できなかったかも知れない。
その人と結婚していても、きっと愚痴ってるにちがいない。


それはそれとして・・・
まさに今、出会っていれば、絶対に、ばっちり、即決オッケーなんだけど、
運命の人の出現時期が、私には早すぎた。
自分の成長が遅すぎたせいで、
運命の人は、私の手から、するりと、こぼれ落ちた・・・

若いときの価値観と、年齢を重ねたときの価値観は、変わる。
今の私なら、あの人と、しっくりするのに。
誰も時計を止めて、待ってくれない。

あ、あ、あ、・・・ないものねだり。

人間の欲には限がない。





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2 コメント

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Unknown (キャロット)
2008-08-15 14:10:19
スロー人さま

逃がした魚は大きい、といいますが、
ご縁がなかったのですね。

この歳になってやっと見えてくる事はたくさんあります。
今の自分だからこそ、それがわかるのでしょう。

そのぶん、大人になったということですよ。

人生最後の時を迎えたときに
ああ、いい人生だった、と思えるようになればいいですね。
幸せは、自分でつくるもの・・・ (華のスロー人)
2008-08-16 07:59:26
人生最後の時に、ですか・・・
まだ、たっぷりありますね。

人をうらやむことは、今までほとんどなかったのですが、
最近、「ああ、いいなあ~。私もこうだったらな~」なんて思ったりもします。

隣の芝生は青い?

自分の人生は、自分で作りあげるしかないですね。

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