蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

漂流の先にあるもの。

2011-06-21 | 人生

わたしは、いま、名の知れた一流企業で重要な役職をしていますが、
実は、昔、顧客から預かっていた預託金を横領しておりまして・・・

わたしは、こんな高級住宅街で、ハイソなマダム暮らしをしていますが、
実は、昔、相当な悪どいゴロツキの愛人をやっておりまして・・・

なんて、わざわざ暴露する人はいない。
ダイアナさんの元側近とか、超有名人の元家政婦とか、
そういう人がお金欲しさや売名行為で、暴露本を出すケースはあっても。

では、
どうだっ!! すごいだろっ!!
これまでの栄光の道のりを延々、自慢する人。
逆に、
どれだけ大変で、苦節、苦難を乗り越えたかを切々と涙ながらに訴える人、
あるいは、
若手に、高圧的に説教する人。

現在のポジションが高ければ、高いほど、こういう人は少ない。

いちばん、やっかいなのは、
淡々と当たり前のごとく、フツーに力みなく、
一般の人と格段にレベルの違うことをやっている人。

あれ? あなたは、違うの? 
パンがなければ、ケーキを食べるんじゃないの?
え? 飛行機って、ふつうは、ビジネスクラスじゃないの?
ご本人には、まったく悪意がない。
とても善意にあふれた、いい人。

(そういう人は、似たような人と日常をともにしているので、
異なる社会の人と接触することはあまりないから、トラブルもそう多くないと思うが)

 

「昔は、不幸だったけれど、今は、こんなに幸福で、感謝しています」

そういう人もいて、講演会を開いたり、本を書いたりする人もいて、人々に元気を与えているようだ。

反対に、

今は、落ちぶれていても、元・上流階級・・・

小林よしのりの漫画「おぼっちゃまくん」に登場する「びんぼっちゃま」みたいな)

○○の末裔で・・・。○代続いた○○の血を引き・・・。

などなど・・・・これらは、どうなのか、ちょっと扱いに困るけれど。(例外にしておきましょう)

 

つまり・・・
どんなふうにしていても、
今までやってきたことは、なんらかのカタチで、表面に出るということ。
わざと隠そうとしても、事実と逆を装っても、
大げさにホラを吹いても、アピールしても。

急には表面に出なくても、知らず知らず、蓄積されていて、いずれ、表れるということ。


若い人は、ある意味、うらやましい。
恐れがないから。こわいものを知らないから。
かつて、わたしも、そうだったように。

よく、大人がそう言ってたけれど、意味なんかわからなかった。
でも、その日、その日がよければいいじゃない、と、開き直れなかった。
将来を見据えて(臆病だったから)、
耳掻き一杯程度の努力をしたかも知れないけれど。

100パーセントはじけたとしても、それは休日だけだった。
平日には、平日の暮らし。
もっともっと、好き勝手していてもよかったかも知れないけれど、
波乱万丈でなく、ほどほどの人生。
チキンのわたしには、これぐらいがちょうどかも。

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このわたしの件(くだり)は、上のタイプでいえば、どれに当たるんだろう?
「その他、大勢」「一般」で、ひとくくり?