蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

ブツブツ交換

2011-06-06 | 暮らし

先週金曜日に行った、あるダンス教室。
着替えをしていると、生徒さんの女性に話しかけられた。

「最近の政治って、へんよね。
見てたら、アタマにきちゃう。ストレスがたまるわ」

「言ってることが、ころころ変わるし、全然、信頼できないし」

などなど、一気に機関銃のように話す。

わたしも、一応、ここのところの政局、よくわからないなりに
意見や感想を言った。

「そうですよね。菅さん、最近、表情がヘンですよね」
(→これは、政治的コメントかどうかは、別として・・・)

彼女の気が治まったのかどうかは、知らないが、別の女性が部屋に入ってきた。

すると、また一から、
「最近の政治って、へんよね。
見てたら、アタマにきちゃう。ストレスがたまるわ」

と彼女は、新しい話題を振るかのごとく、その女性に話しかけた。

わたしとの会話は、なんだったんだ?
わたしの反応が、彼女の思っている方向性と違ったのか?
彼女は、まだ話し足りなくて、フラストレーションが残り、すっきりしていなかったのか?

わたしは新顔の部類なので、たまたま、その部屋にはわたしだけしか、いなかったから、
しかたなく、わたしに話しかけたのだろう。
しばらくして、おなじみのクラスメートが入って来たので、その人に話したかったのだろう。

まるで同じ話を、目の前で別の人にされる、っていうのは、どうも・・・複雑・・・。

話の内容に力を入れてるのではなく、会話する相手に重きを置いてるってことか。


その女性、後から入ってきた人と、同じ話題をひとしきり話した後、
急にひそひそ小声になった。
あんだけ、回りも気にせず、べらべらしゃべっておいて、なにをナイショ話?
そこで気になるのが、またわたしの、小市民的・性質。

どうやら、モノを手渡しているようだ。
どこどこの百貨店に売っていて、どうのこうの・・・探していて・・・なんたら、かんたら・・・
わたしには聞こえないように、ボリュームをミニマムに下げて、製品のご口上を述べ、説明している様子。

人との交流、気持ちの交流には、モノが効く。
気持ちを表したいときに、口だけでなく、モノをあげるという行為、
男性に比べると、女子会では、特に多いらしい。

おみやげ物々交換、そこから話題が広がる。

あなたは、新米だし、ブツブツ交換の仲間に入るには、まだまだ年季が足りないわよ、
ってわけで、こそこそ声になるわけか。


別のある日、
別のある女性(推定年齢、60歳以上)は、ダンスの先生に、
なんと、家から持ってきた玉ねぎをあげていた。

ダンスの先生は、若い女性だが、「わあ、うれしい、わたし、玉ねぎ大好き」
と仰っていたが、京都の奥から大阪の中心地にまではるばる来られて、
ひょっとすると、他にも行く場所があるかも知れないのに、
玉ねぎを携帯したまま、場所を移動するとなると、気の毒だ。

しかも、リタイアしたご隠居さんでもなく、子供が大勢いる、子育て母ちゃんでもなく、
結婚してはいるものの、子供のいない、若い女性に。

玉ねぎって、重い。
気持ちはわかるけれど、よくまあ、そんなものを手渡すなあ・・・と、わたしは、とても不思議だった。
ご近所のスーパーで出会ってとか、自宅に出向いて届ける、
あるいは、自宅に宅配便で送るなら、いざ知らず。

出先でのブツブツ交換は、
軽くて、かさ張らない、話題性のあるものが、よろしいかと思う次第であります。


ちなみに、ガメツイ、ぼったくり(大手デパートのカルチャー教室)の先生は、
「お中元、お歳暮、お届けモノは、現金か、商品券でお願いします」
って、明言しておられた。
わかりやすくて、いいといえば、いいけれど・・・・・。

別のカルチャー教室では、「先生へのお気遣いは、一切ご遠慮願います」
と、壁に張り紙がしてある。
そういう張り紙を病院の壁で見たこともある。


気持ちをモノで表す、ということは、社会では常識のようになっているが、
業界や団体、グループによって、常識も、微妙に違うので、適正なつかみどころが難しい。

自分には自分のやり方は、あるだろうけれど、多くの人々が交差する中では、
その世界のモノサシに合わせるのが無難かも知れないが、
自分と価値感がズレていると感じる人には、別に合わす必要もないと思っている。

そんなことしていたら、一匹狼みたいに孤立してしまうリスクはあるけれど、
わたしが良いと思う団体や人に対してなら、周りを見て、合わせる。


人と人、お互いの気持ちを表す方法って、難しい。
手探りで、少しずつ、方法を探っていくしかない、と、
非社交的で、人との距離のとり方がヘタなわたしは、試行錯誤の連続だ。

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