日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 思い出 深き お盆・・ * 

2007年08月24日 | 風景・お出かけ


 しまなみ街道夫の実家へ泊まった翌朝も、義姉が起床する4時半には起きて裏道を丘へ向った。
帰る度に新築の家が増え少しづつ様変わりしてはいるが、日が昇っていた空とシュロの木は
夫と知り合った中学時代から今も変わらないポジション。

昨年繋がった西瀬戸自動車道、国道317号線には車が往来して島が動いていると言う感覚。
時折塩の匂いのする早朝の風は、大阪とは違って少し冷んやりとしていて心地よかった。
見飽きない山や海の見える景色には、年とともに涙ぐみたいくらいの郷愁にかられる。

歩きながら、亡くなって28年にもなる義父の笑顔や会話を懐かしく思い出した。
「どんなにわしらの前でつくろっても、子供を見れば普段のおまえたちの生活が分かるんぞ」
夫の兄弟たちの子供たちとは同い年も多く、みんな子育ての真っ最中でおむつなんか大変。
「お前のところが一番ましじゃ」褒めてもらったことは密やかな私の秘密。
まるで見透かしたような義父の子育ての真髄は、遺言のように時折脳裏をかすめる。

昨夜の賑やかさを思い出しながら歩いていると、西の空に虹! わ~すご~い得した気分!



昨夜は、庭でお盆恒例のバーベキュー。 米寿の義母、兄弟夫婦や我が家族総勢14名。
今回はお墓参りにあわせ、長女夫婦の入籍報告と夫であるセイ君の紹介でもあった。
気さくで仲の良い男兄弟の多い夫方、賑やかな夕げでセイ君も話の中で楽しんでいたようだ。
こんなに暑いのに元気でいる義姉さんが育てている花たち、いつも感心する。



ウォーキングは帰省中でも、自然な流れとなってきている三日坊主の自分がちょっと嬉しい。
午前にみんなでお墓参りをすませた後、昼前には車で15分ほどのところ私の実家へ。
母や兄夫婦甥っ子、先に帰省していた千葉の妹夫婦に迎えられてセイ君の紹介。
いつもながら料理上手な兄嫁さんのもてなしには、心があふれている。

こちらもお盆はバーベキューが恒例。
夫方と違うところは兄が海外出張で会得しただけあって、もてなすのは男性陣。
因島の妹夫婦も夕方には揃い総勢15名。  昨夜とは違って女姉妹のおとなしい始まりだったが、
セイ君のいる席、兄や義弟の気遣いもあり妻のあげおろしで湧いて賑やかなバーベキューだった。
年に一度も会えるかわからない妹たちとの会話も嬉しくて楽しくて。

両方の実家へ挨拶、泊まるなんてセイ君も緊張したであろうけれど、そんな彼を援護したのは
唯一名前を呼んでくれる「セイさん」なつめのお茶目なおしゃべりだったかも知れない。
私の方は特に長女のことを思ってくれていたので、セイ君に会い安心してくれたようである。
そんな双方の快諾が嬉しかった帰省ではあるが、もうひとつ忘れられない感動がある。

八月のペリウス座流星群をお盆の時期、田舎で見られるという絶好のタイミングを得たこと。
バーベキューの後、心を残しながら翌日高校の同窓会ゴルフコンペがある夫と帰って行った妹夫婦。 
後は兄嫁さんの用意してくれた椅子やゴザに寝転がり珈琲つきで流星群を見る会があ始まった。

「あ! 見た!」 「あ! 今度はあっち!」 田舎ならすごいきっと、そう期待したその通り。
まさに絵に描くような流れ星の形を見ることができた。  一度全員で同じ流れ星を見た快挙。
長女夫婦もこんなめぐり合わせってなんとラッキーな。
それぞれの家族はどんな思いで空を見上げ、星に願いをのせていたであろうか。

今年は格別に体に来ると言う母、疲れているであろうのに私の横で一緒に星を見た。
「まさかこの年になって見られる思わんかった」 一時過ぎまで。 (ようがんばったよお母さん)
(もうこんなことはないだろうなぁ・・)時々母の手を握った、愛や苦労が詰まった手。

流星群を見る会の寝不足、まだ誰も起きていなかった5時半起床で、前の海辺へと歩いた。
振り返ると三年前の大火でほぼ焼き尽くされた山には木々の緑。 不似合いな高速道路。



目の前には子供の頃泳いでいた、懐かしい場所が広がる。
 


 




何気ないような景色だが、眺めていると子供の頃や子供たちを連れて海へ入った思い出が甦る。

お昼は全員で多々羅大橋を渡り、大三島で食事。 生口島に向かって撮るのは始めて。
いつもなら帰省すると写真、写真とじっとしておれなかったのだが、帰省の目的や
兄嫁さんの日頃のご苦労を思うと、カメラに気を向けると私の心がその場から離れるようで、
あえて撮らず、帰阪して開くと毎朝のウォーキングよりも少ない枚数であった。





シトラスパーク近くの新トンネルから見下ろす。





ズーム・・実家。





みんなが喜んでくれた帰省ではあったが、いつもお土産にと買う義母の服のサイズを今年は
LからMサイズに変えたことが心寂しく、「去年よりも10キロ減ったわ」 そう言う義母の言葉、
一段と小さくなった背に、仲の良い五人の子供を育てて来られた人生の重さを愛おしく感じたこと。
実家の母も会話や行動の中に、正月よりもいっそう間のあることにはっとしたりした。
(最近特に老いが進んでいることを感じます)そう言う兄嫁さんの言葉を実感する。
両方の老いてくる母親をみて頂く兄夫婦たち、やがて介護にも関って下さる大変さを思うとき、
申し分のない幸せな家族関係を築いて下さっている安心、しみじみと感謝が湧く。
そんな事を考えるとき、自分ごとにとらわれてうろたえてはいけないと大きく気づかされた。

真夜中無事帰阪したことを、朝母に電話した時、長々と感謝やさまざまな気づきを話した。
「母さんも毎日が勉強よ~。 人間一生が勉強じゃけえ~ お互いにがんばろうで~!」
84歳、今なお子供の私を元気にさせ自分もまたがんばるで!と安心させようとする見事な母。
みんな何がしのものを抱えてはいる、それが人生なのかも知れない、私もがんばろう。