こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

二月になってもモーツァルト

2021年01月31日 11時18分24秒 | モーツァルト
コロナ禍でいろいろ生活様式が変化しました。マスクは当たり前になり、戸外ではしていない人はいない!そんな中で気づいたのが、ずっとマスクをしているなら、ヒゲは毎日剃らなくてもいいだろう、ということです。ふと職場の隣席の同僚に話すると、彼は、もうかなり前から毎日剃ってない、そんな人多いですよ、と。そうなんや、と思い、毎日剃るのをやめた私でありました。もっとも私はかなりヒゲが薄い方で、しばらく剃らなくてもそれほど目立たないのですが…。

そんなこんなで、五週連続のモーツァルト。今回はデヴェルティメント第15番変ロ長調K.287であります。1777年、ザルツブルク大司教コロレド伯爵の妹のロドロン伯爵夫人の命名祝日のパーティのために書かれた2曲のディヴェルティメントのひとつ。『第2ロドロン・セレナード』とも言われます。そしてこの曲については以前にも述べましたが、おそらく1980年代にNHKFMで日曜日の朝9時から「名曲のたのしみ」という番組があり、吉田秀和氏が解説をされていました。それが終わると10時からは「名演奏家の時間」(だったよな)があり、この番組のオープニングに、このディヴェルティメントの第2楽章冒頭が用いられていました。それで、ああこの曲はいいなあ、と思ってたのでありました。

そして、CDを買おう!ということで、アカデミーアンサンブルの演奏を買いました。この頃、彼らは、モーツァルトの機会音楽を盛んに録音しておられたのでした。以前にも申し上げましたが、それらをBOX化して再発売してほしいですねえ。この演奏はけっこう気に入って聴いてたのですが、その後タワーさんからウィーン八重奏団員によるCDが復刻されました。今回はその演奏。1962年9月ウィーンのソフィエンザールでの録音であります。

さて、この曲はVn2.Va.Vc.Cb.Hr2の7人による演奏。アントン・フィーツ、フィリップ・マタイス(Vn)、ギュンター・ブライテンバッハ(Va)、ニコラウス・ヒューブナー(Vc)、ヨハン・クルンプ(Cb)、ヨーゼフ・フェレバ、ウオルフガング・トムベック(Hr)の面々であります。このように、7人による演奏と、小人数のオケで行う場合がありますね。手元にあるCDの演奏でも、例えばカラヤン、ヴェーグ、ボスコフスキーなどは後者、アカデミーアンサンブルやこのウィーン八重奏団員は前者。まあどちらがいいかというと、これは好みの問題もありますが、私的には前者の方が好きですねえ。傾向としては、後者は弦の音色がまろやかになり、前者は鋭角的になりますかね。

そして、この演奏ですが、まず感じるのが非常に深い表情であることです。それぞれが独奏なので、奏者の個性が出ますよね。もちろんVPOの弦の美しさは健在です。ただウィーン風の情緒や優雅さはそれほど感じません。機会音楽なので、まあ流麗な雰囲気でいいかと思うのですが、この演奏は、力が籠もっており、甘美なところもありますが、ときおりの厳しさも見え隠れすることでの充実感がいいです。そして、一方で低弦の演奏が非常に強固であり、この演奏を支えています。やはり、VPOの底力でありましょうか。

第1楽章、強固な弦の響きで始まり、フィーツのヴァイオリンに代表される弦が実に締まった美音であります。全体的に力強く、深い表現で厳しい。デイヴェルティトというより交響曲的ですねえ。第2楽章、主題と六つの変奏曲。主題は民謡からものですが、いろんな楽器による変奏は見事です。六つの変奏曲の豊かな表現も聴きどころですねえ。第3楽章メヌエット。ト短調のトリオが心に染み込む。第4楽章、弦の甘美な響が実にいい。この弦だけでもこの演奏を聴く意義がありますね。うっとりします。第5楽章メヌエット2。この種の曲には複数のメヌエット。伸びやかな弦。これがまたいいですね。そして終楽章。見事な序奏がまず驚かせる。そして民謡からの主題と躍動感満ちたロンド。隅から隅まで明快な弦に最後までうっとりであります。

緊急事態宣言は、2月7日では終わらないみたいですね。このところ感染者減少が見られますが、検査数も多いときの2/3ほどとか。なかなか苦しい状況が続きますね。今、感染したら入院もできない。毎日心して自粛しないとであります。
(DECCA PROC-1392/5 2014年 TOVER RECORD VINTAGE COLLECTION)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2021-02-07 22:10:59
春を思わせる、温かい日が続きます。三寒四温といいますから、このまま、温かさが続くとは思いませんが、この先の気温の予報を見ると、それほどの寒さは、やってこないようです。
さて、モーツァルトの嬉遊曲第15番ですか。この曲の編成は、第10番や、第17番と同じですが、本当に、リラックスした気持ちになる、機会音楽ですね。ホルンが時折、アクセントを付けるので、音楽に厚みがでますね。特に、このウィーンPOのメンバーによるアンサンブルは、素敵です。そして、デッカの録音が、しっかりした低音を収録しており、迫力もありますね。第17番も同様に、素晴らしい演奏で、大好きです。私は、ヴェーグやアカデミーの、すっきりした、早めのテンポの演奏も、よく聴くのですが、やはり、ウィーンの演奏は定番です。
「緊急事態宣言」が延長されますが、土日の車の流れを見ていると、どこが「緊急事態宣言」なのか?「不要不急」の外出自粛なのか?解りません。でも、全体の感染者は、減っているのですね。
まあ、高齢者は、むやみに、出歩かないことですね!
コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2021-02-08 07:59:28
クレモナ 様、コメント感謝です。この冬はこれまでずいぶん寒かったですねえ。先週くらいから花粉が飛んでるな、ということで暖かくなって来たことを感じています。この曲の演奏、確かにデッカの優秀録音での効果は感じますね。アカデミーなどにはない情緒を感じるものでありました。
今朝の報道で、大阪は緊急事態宣言を解除に向けての動きが云々、とありました。感染者が減っているのは、検査数減少と関連するとすれば、まだまだ安心はできないですねえ。

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