何もないわたしの心の中

辛いことをただ書くだけ
でも本当は元気になりたいから!

無題

2016-01-30 23:32:04 | 日記
イライラする。
Non ti muovere見るんじゃなかった。
なのに

涙は出ない。前の感情は思い出さない。
だけど、彼がどれだけ私を愛していたか、どんな風に愛していたか、どんな匂いがしたか、どんな風にキスしたか、どんな風に動いたか思い出してしまう。気持ち悪い。なのに

私は全然好きじゃなかった、きっと。ただ匂いを嗅ぐと、痛みとセットにされると屈伏するしかなくて、頭がぼーっとしてあの人に全て包まれて呑まれてしまっていただけ。

この映画を見ると、私が痛くて仕方なくて暴力だとしか捉えられなかったことが、この人たちにとっては強い愛情表現なのだということが分かる。
欲しくて欲しくてたまらないから抑えきれなくなってその感情はそのまま、何にも包まずごつごつの岩肌のままぶつけ合うんだ。
私は日本人だった。ひとりぼっちで誰にも相談できず、分かってあげることができなかった。少なくともいっときは彼は本気だったのに。私が怖くなって、その本気が怖くなって、初めに逃げたんだ。
そこからおかしくなった。逃げたのにどうしても戻ってしまって、でも逃げて戻っての繰り返しだった。だってあの匂いなしではいられなかった。逃げても逃げてもどうしてもくっついていたくて仕方なくなって、離れてる時間が1秒でもおしかった。
なのに一緒にいると必ず怖くなった。セックスが怖くて痛くて、キスも痛くて、つかむ力もつねる力も小突く力も叩く力も噛む力もすごく強くて、私を下卑する言葉もたくさん言われて、私に接する全てが私にとっては暴力だった。
この映画を見ると、欲しくてたまらなくてどうしても抑えられないっていうあの人の言い分を信じることができる。

だけど冷静になって、私はこんなの愛じゃないと思う。世の中にはこういう愛に憧れる人もたくさんいるのかもしれないけど、結局身体だけの愛だと思う。
愛が深くない。支配する方と屈伏する方というただの組み合わせのトリックなだけだ。匂いの型とか遺伝子の型の問題だ。その人じゃなくても同じ別の人がいればそれでいいんだ。
本気で欲しくて仕方ない情熱的な愛情だとしても、そこに尊重はない。そんなの本当の愛の充実じゃない。薬物依存と同じだ。欲しくてたまらなくて自分を蝕んでいく。
こんな映画大嫌い。ばかばかしい。妻と育んだ人生の方が本物の愛だ。
でもこれは身体の愛に対して頭精神の愛ということだけなのかもしれない。