予知連絡会会長は逮捕が普通

武田邦彦

■御嶽山噴火(1) 予知連絡会会長は逮捕が普通

 

題名に「予知連絡会会長は逮捕が普通」と書いたが、イタリアの地震で予知委員会が「地震は大丈夫」と言って、地震が来て逮捕され、有罪になった。それは当然なのだ。

人間には「言ったこと、判断したことに責任がある」というのが当然である。責任を取りたくなければ発言したり、決定しなければ良い。今回の件は9月初旬から 御嶽山の地震計がたびたび反応していたこと(下図)と、東北大震災以来、20山ほどの山でマグマの活動が盛んになっていたことなどがあり、レベル1(注意 せずに登山できる)をそのままにした責任は重い。

い つも日本では「専門家」というのが登場するし、東大教授やその他の国立大学の先生が国の委員になる。このブログに書いているように、「学者」は学問の自由 があるから、自由な発言が許されるが、それは精神的、内的な自由で、社会に具体的な影響を持つ国の委員会などでの発言は、裁判官、医師などとともに言動に 対して社会的な責任を持つ。

私たち学者は二つの顔を持ち、もし自由な学問をしたければ、国の委員などになってはいけないし、専門家として社会に発信するなら、その権限を持つことができるが、自由は制限され、責任も取る

福島原発事故もそうだが、学者は責任がないが、国の委員長はヘマしたら責任があり、被害者がでたら逮捕される。医学者は安楽死を研究しても良いが、医師は社会の了解がなく安楽死を施したら逮捕される(日本でも有罪になっている)。

この際、打ち続く災害を止める意味でも、「権限と責任」をはっきりさせなければならない。火山予知連絡会の会長は昨日の記者会見で、「火山予知ってこんなも のです」と言った。それならレベル1とか2とか決めてはいけない。自分が決められないことを決めて、犠牲になったほうが悪いというようなことでは自ら自主 したらどうか。

事故が起こると専門家という人が出てきて、犠牲者の気持ちとは全く違い第三者のような顔をして話をする。日本の指導層も心をもってもらいたい。(平成26929日)


 


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