とのさま日記なるもの

思いのすべてを書きます

人間だから

2018-12-17 18:08:35 | 私の詩
私は鬼じゃないから

誰も憎んだり恨んだりしない

でも

人間は鬼より恐ろしいかもしれない

私は人間だから

憎みも恨みもするかもしれない


母の手

2018-12-16 14:50:09 | 私の詩
車椅子をおす手がとても冷たくて

片方をはなしてフーって息を吹きかける

手袋をはめなきゃ寒いだろうに、すまないね

あれ、私の吹いた息の音が聞こえたの?

そうやね
次からは手袋をはめるね

答える私に手を見せてと振り返る

手をとって

暖かい手で冷えた私の手を包んでくれる

そんな母の手のぬくもり

私は忘れない




花鋏

2018-12-03 18:58:36 | 私の詩
花鋏

持つ手と心は同じだろうか

美しい花に手を入れることなどできるだろうか

形を整えたところで決して美は感じられない


悲しいかな

あわれな心よ

けっして手を入れてはいけない

心が貧しければ花が枯れてしまう


だからやめなさい

花に触れることはやめなさい





なんにも変わらない風景

2018-11-29 15:34:58 | 私の詩
バスの中

揺れるたびに母の笑顔を思い出す

今日は何を買っていこう

大好物の焼き豚にしようかな

大好きなお寿司にしようかな

病室に入った瞬間に母が笑顔で迎えてくれる


揺れるたびに母の笑顔を思い出す

早く母の笑顔がみたいから

気がせいて

ガタガタ揺れる田舎のバス

早く早くと急かしながら


そんなあの日が懐かしい

同じ時間の同じ路線

なんにも変わらないのに

母がいない


母に会いたい







もうあなたの故郷はない 悲しいけど

2018-11-26 10:28:38 | 私の詩
故郷がなくなった人がいる

帰りたくても帰ることができない人がいる

そこには両親と過ごした思い出がある

兄弟姉妹との思い出もある

逃げるように出たわけではない

追いたてられるように出たわけでもない

捨て去ってしまったわけでもない


悲しいと涙する

でも二度ともとには戻らない

壊してしまったから

泣くといい

思いっきり泣くといい

だれも止めやしない


今ある場所にひっそりと身を置くしかない

たえてたえて

壊してしまったから

辛くてもその場でいなさい