いよいよ今日は母が、K病院から自宅近くのS病院に転院する日。
転院が決まってから、この20年、母と通った道、途中で寄ったパン屋さん、外来の待合のソファや診察室など一つ一つが妙に懐かしく感じられました。
今朝早くに病室に行き、母に説明をし、荷物をまとめて介護タクシーを待っていると、次々に看護師さんたちが来て下さって、
「みんなIさんが大好きだったんですよ!Iさんがいなくなるとさみしいです。私たちみんな癒されていました。」
と、言葉をかけて下さいました。
一人では何もできず、ただお世話していただくだけの母。
もう声も出せないので、意思表示は、うなずくだけかニコニコするだけ。
そんな母が、なぜ看護師さんたちにそんなに愛されていたのか?
考えても不思議でしかたがありません。
そのうち、外来でお世話になった看護師のOさんも来て、母に励ましの言葉をかけて下さいました。
Oさんは、控えめな方でしたので、あまり記憶がはっきりしていないのですが、ずっと前から母のことを見守っていて下さっていて、母が自力で歩けなくなって通院に不安を覚えるようになった頃、ご自分の名前を示して「何か不安があったら、私に電話してください。」と言って下さいました。
その後すぐ異変があって、今回の入院となりましたが、ソーシャルワーカーさんに連絡をとって、右も左もわからない私たちに適切な導きをしていただくことができました。
看護師さんたちの暖かい言葉に胸が熱くなり、感動のお別れとなりました。
介護タクシーにも初めて乗りましたが、大変親切な方で、終始話しかけて下さり、振動が大きくならないように非常に慎重に運転して下さいました。
さて、予定通りの時間にS病院に到着しましたが、それからは様々な検査があり、担当医や看護師さんの説明があり、病室に落ち着いたのはお昼ころでした。
ラウンジからは大山連峰がくっきりときれいに見え、すばらしい景観でした。
夕方また病室に行ってみると、
「Iさん!」
と、声をかけて下さる方がいて、なんと近所の方でした。
「救急車が来ていたのも知っていました。おばあちゃんかなと思っていました。」
新しい病院で知らない方ばかりかと思っていたら、近所の方がいらっしゃって、心強く感じました。
ここでも、イエスさまがすべての備えをしていてくださると感じました。
K病院とのお別れは寂しいですが、こんどは家から歩いても10分以内で行ける距離なので、時間的にずいぶん楽になると思います。