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なんと6年越しの復活。
ケドメ(旧名 ミッチ・ミキハラ/MIC(H))の活動報告拠点にでもしようと思います。

リアル (1巻~5巻) - 井上雄彦

2008年02月18日 | ◎ざっくりモノモノ感想
売れているらしいから・・・
というわけではないのですが、
今回はほんとうに雑感のみ。
ちなみにオイラは三ヶ月前まで
このマンガのことをまったく知りませんでした。
視野の狭さを露呈してますね。

とにかく、主人公の一人
高橋の動向が気になります。
夢に出てくる。
自分自身をマンガ(や、歌)の登場人物と
重ね合わせてしまうのはよくあることで、
鼻で笑われるようなものなんでしょうが、
それにしてもこの高橋という人物、
自分のイヤな部分とあまりにも重なりすぎていて
頭から離れなくなってしまっています。

この高橋というキャラクターは、
作者自身の一部の投影なんでしょうか。
それとも、あくまで作劇上
そういう役割を負わせるためだけの、
作者からみた「現代っ子」なんでしょうか。
「当時者」である自分は
できれば前者であって欲しいのですが、
『リアル』というタイトルとは裏腹に
徹底して明解さを優先させている内容を考えると、
判断が難しいです。
・・・でも、心理描写に関しては
高橋のエピソードに圧倒的なリアリティを感じます。
やっぱり、ある程度は投影されてますかね。

途中までは
「いい先生方に囲まれて、恵まれたほうじゃないか」
なんて思っていたのですが、
5巻の後半、リハビリ施設に移ってからの彼は
目を覆いたくなるほどに悲痛です。
あの状況になったら、ぜったいに
おんなじ態度を取っていると思う。
自分が悪いのは百も承知、
理解されないのは千も承知、
それでも「その通り俺達は理解なんか示しやしないのさ」
(「甘えるな!」でもいい)
という現実をぶつけられた時に、
行き場のなくなった感情の行き着くところは
「死ね」の発言、そして孤独です。
ちょっと前に話題になった
「別に・・・」でもいいかもしれませんね。
オイラは、今でもこの状況になったときの
納得の行く答えがわからない「子供」なので、
この先の展開が非常に気になります。

自分にも野宮のような知人がいればなあ・・・
とつい思ってしまうのも、
作者の思う壺なんでしょうね。