常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

二ツ箭山

2018年09月23日 | 登山

いわき市の北西部、二ツ箭山(標高709.7m)

二つの岩峰を持つ地元民に愛される山だ。箭

とは弓箭のこと、つまり先の尖った矢を意味す

る。二つの岩峰を矢に見立てたことによってこ

の山の名の由来がある。その岩峰の一つ、男体

山への登攀に30mの鎖場がある。何をすき好ん

でこんな山に登るのか、そんな声が聞こえてき

そうな岩場である。

この岩場をチームがひとりづつ登り始める。

人目が上に着こうとするころ、60代の男性登山

者が同じルートを、鎖を頼りに下りてきた。チ

ームの一人が交差すると、男性は迷わずルート

の脇へ逸れ、岩の出っ張りに足をかけて、身軽

に下ってくる。「大丈夫ですか」と声をかける

と、「ここは何度もやっているから」と、私が

待機していた場所に降り立つ。男性はそこら下

へ下るかと思っていると、私の後からまた岩場

を登ってくる。どうやら岩場の登攀の練習をし

ている様子だ。「ここに馴れると、剣も槍の楽

々だよ」などと話しかけてくる。女体山の頂上

に着くと、この男性の仲間と思われる登山者が

4、5名、楽しそうに山の話を語っていた。いず

れ地元の人々と思われる。

我々が登山口の駐車場に着いたのは、8時。

沢に沿うコースをとる。昨夜の雨で、沢に

はやや多い水が流れている。石に付着した

苔が滑る感じだ。危険個所には鎖が付き、

安心して登ることができる。沢に岩、通常

の登りにはない危険個所だが、注意して登

りつめると、前項の岩場に着く。本日の参

加者は5名。内女性5名は、会でもベテラン

である。二ツ箭山は、岩峰や沢の危険個所

があるとは言え、標高は710mの低山だ。

坂道も急ではあるが、全体的には短い。1

時間半で、鎖のある岩場に着く。30mの鎖

場も10分もかからず男女のコルに、そこか

らすぐに、女体山の頂上に着く。頂上から

は東に太平洋、西に阿武隈の山々の眺望を、

ほしいままにする。

女体山頂上からの眺望を堪能してから、二ツ箭

山の山頂へ。ここは木々に被われて眺望がない。

木漏れ日のなかで、静かに昼食を楽しむ親子。

我々もここで弁当を食べることにする。秋の日

ざしのなかの楽しいひと時。とりとめのない会

話がはずむ。健康によい食べ物。Sさんは、ト

マトの味噌汁や焼きトマトを勧める。取り立て

の野菜は、どんな食べ方もおいしいが、焼いて

食べるのも一つの方法であるらしい。

ここは、詩人草野新平の生誕の地。故郷の秋を

詠んだ詩がある。

 秋の夕方

ところどころに芒があり

昼の月もでてゐる

姿はみえないが

すこし離れたところから

鈴虫の音がする


さみしく忍ぶように

一つ二つして

しなくなる

いわき市小川町。山間のどこまでも静かな町。

山道を周遊して、月山までくると、先刻難儀

して登った鎖場の岩峰を挟むように男体山と

女体の岩峰が間近に見える。ここから木の根

が張り巡らされている急坂を下る。小一時間

で駐車場へ。帰路、小町の湯で汗を流す。小

野は小町の里として、アピールしているらし

い。

 



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋雨 | トップ | 自然 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿