常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

食べる

2020年11月23日 | グルメ
食欲の秋と言われるが、年とともに食欲も次第に減退する。食べることが生きることの基本だから、高齢になってからは美味しく食べる工夫も大切になる。年金生活で、高価な食材を自由に求めることもできない。食材では、先ず米が大事である。収穫が終り、新米が出回っている。親戚や知人から、新米をいただくのがこの季節の一番うれしいことだ。先ず、頂いた新米を真っ先に、おいしいうちにいただく。そうすることで、送ってくれた人への感謝の気持ちがより強くなる。知人の話を聞くと、持っている古米があるのでそれを食べきってから新米に手を付けるという人がいるが、これではせっかくの新米の味が落ちてしまい勿体ない。

戦後の食糧不足の時代、米がいかに大切なものであったか。こんなことに思いを馳せるのも、新米への感謝、日本人であることの満足感を増すことにつながる。戦後の料理研究家として知られる辰巳浜子の米に対する思いが時代を物語っている。

「お百姓さんの労苦を察してと、釜底のおこげはもちろん、お鉢の洗い流しの一粒さえ食べさせられました。汽車弁をいただく時は、必ず蓋についた米粒を丹念につまむことから教えられました。」(辰巳浜子『料理歳時記』)

わが家でも、余ったご飯を干飯にして、炒って砂糖をまぶして子どもたちのお八つしたものだ。

業務スーパーで見つけた二つの食材がある。ひとつはオートフレーク。これをつかったお粥は、60㌘に水300㏄、塩ひとつまみ。耐熱容器にこれを入れてレンジで4分加熱してできあがり。驚くほどの簡便さだ。これは北海道いたころ、畑に植えられて牛や豚の飼料に使用されていた。これが食用として人気を博したのは、豊富に含まれる食物繊維によるコレステロール減少効果によっている。実際に食べてみるとこのオート粥は、食感もよく米の粥にそん色のない美味しさだ。原産地チェコ。もう一つは、「プチっと鍋」(エバラ)のとんこつ醤油味。これも、高齢者が小人数でつくるこの季節の鍋料理に簡便でもってこいである。プチっと鍋ふたつ、水300㏄を鍋に入れて、キャベツ、豚肉、長ネギ、モヤシ、ニンジン、キノコを入れて野菜に火が通ると出来上がり。身体が芯から温まる。残った知るには、ウドンやオートを入れて締めにできる。冬を乗り切る強い味方だ。

寄せ鍋に睦みて忘る過ぎしこと 鷲谷七菜子

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