三寒四温という言葉がぴったりとくる今日、この頃だ。朝の陽ざしにさそわれて少し散歩をした。道脇の庭にうつむいて咲くクリスマスローズがあった。フクジュソウとならんで、寒さにめげずに咲く花である。ものの本によれば、ローズと名にあるが、バラの種類ではなく、キンポウゲ科の多年草とある。ヘレボルス・ニゲルの英名であるという。この花も花びらの大きいのは顎片で、花弁は中心にある黄色い部分である。空を見上げると、青空に弥生の雲が浮かんでいた。
濃やかに弥生の雲の流れけり 漱石
雲は浮かんでいるように見えながら、しばらく眺めていると動いているのが分かる。雲の形が変わることもなく、形を崩すことなく流れていく。春、三月まさに弥生の雲である。しかし、漱石の見た弥生の景色は、いまっここで見るものとは異なっている。一方が春のさかりであるのに対し、ここは昨日雪が降り、消えっ去った雪の湿りに花が咲き、その上を白い雲が流れる。
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