晴耕雨読

耕すのは土だけではない。
心のなかこそ酸素を補給し、ゆたかな栄養で満たさなければならない。

泉ヶ岳

2018年03月10日 | 登山
泉ヶ岳から船形山を観る


山に行きたくなる理由のひとつは、考えられないような僥倖に恵まれることがあることである。山行計画を待っていたように、ぐずついた気候が好転し、ぽかぽか陽気と青空のもとで雪の連山が見渡せる、そんな幸運に恵まれることだ。まさにその言葉通りの僥倖だった。車中では雲の多かった空も、リフトの運転が始まると、次第に青空が広がっていく。春休みの週末とあって、スキーヤーやボーダーのカラフルなウェアがリフト周辺で花が咲くような光景が広がっていた。雲が去っていく東の空から、時おり雷鳴が響く。頂上から、北西に聳える山容は記憶に残っていた。昨年春、この場所から見た船形山である。北泉ヶ岳への山道で、その光景が目前に迫ってきた。「あ、ブログにお誂えむき」とIさんが声をかけてきた。思わず撮ったのが、冒頭の動画だ。記憶の光景をはるかに超える、船形山の春の雪景色。身体の底の方から、見ることの感動が広がってくる。



泉ヶ丘は標高1172m。仙台市の北東20㌔ほどに位置する。この山には、泉ヶ岳スキー場、スプリングバレーのふたつのスキー場がある。今日の計画は、スプリングバレースキー場をリフトで上駅にまで行き、その先のゲレンデを登り、その上から山地に入る。登山道はないが、雪上をカンジキとアイゼンを履いて頂上へ行く。雪山に入る人たちに、「悪い雪」という言葉がある。昨日までの気温の上昇と雨のために、カンジキごと抜かるやわらかい雪のことだ。ラッセルをして踏み固めるのもままならない。頂上までの勾配はきつい。30°を超えた傾斜だ。悪戦苦闘して、足に力をこめて一歩づつ登る。しかし、刻々と変る景観は、春の息吹を帯びて息をのむような美しさだ。

春の山越えて日高き疲れかな 正岡 子規



山中の木々は、蕾は固いが、心なし大きくなっているように感じる。シラカバの白い幹が、空の青さによく映える。私には、この木がシラカバかダケカンバか、区別をつけることはできないが、枝の細いのがシラカバのような気がする。高地にあっては樹形が曲がりくねる特徴があって、オドリカンバなどと呼ばれたりする。
頂上付近になって、雪はすっかり堅雪になっている。アイゼンの爪を立てて登ると、さらに春らしい山登りになる。9時にリフトに乗り、頂上に着いたのが11時。2時間近い歩行であった。
頂上で弁当を開く。たっぷりと春の日がそそぎ、ポカポカと暖かい。頂上には、三々五々、表コースから登って来た人たちと挨拶をかわす。



頂上から北泉ヶ岳へのコースをとる。目前に北泉ヶ岳の雄姿が迫る。小1時間昼食をとっている間に、雪の表面が溶け始め、2,3センチやわらかい雪になる。ブッシュのような木々の間を潜って下山。あっという間に、北泉への鞍部に着く。振り返ると、降りて来た山道が見える。30分少々だが、ずいぶん高いところから来た気がする。鞍部から夏路へ、ショートカットして急坂をトラバース。この部分だけが堅雪で危険個所。ここを過ぎると、夏路の目印が付けられてスキー場のゲレンデへと導いてくれる。



帰路、スパ泉ヶ岳で山行の汗を流し、疲れを癒す。温泉の駐車場からは登ってきた泉ヶ岳が見えている。入浴料800円、温泉県の山形からみればちょっと贅沢。しかし浴槽から、竹林が見え、温泉もぬるめでゆっくり浸かるにはもってこい。急な坂で使った筋肉がほぐされていくのが実感できる。本日の参加者6名、男女3名づつ。
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