常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

夜の鶴

2014年11月21日 | 日記


蔵王山に雪が降って、真っ白である。お釜の付近で、火山性の微動が観測され、火山のマグマが活動を始めているらしい。御嶽山の噴火を見ているので、蔵王の活動も心配だ。その活動を覆うように、純白の雪が山を覆い始めた。北海道では、連日の寒気で、もう本格的な冬がきている。凍て鶴というのは、寒さのなかで、鶴は長い首を後ろに曲げて羽の間に入れて、身じろぎもせずに立ちつくす姿をいう。鳥は寒さにめげずにいるのであろうが、それを見た人は、凍て鶴と呼んで鶴の姿に心を寄せた。

凍て鶴は夜天に堪えず啼くなめり 山口 誓子

諺に、「焼け野の雉子、夜の鶴」というのがある。雉は野が焼かれると、自らの危険を顧みずに雛の上に覆い被さって焼け死んでしまう。火が消えた後、焼け死んだ雉の下から雛が出てくる。鶴の方は、あまりの寒さに凍えそうな雛を夜も寝ずに羽で覆って守る。どちらのも、子を思う親の心を示した諺である。唐の詩人、白楽天の詩に「夜鶴子を憶ひて籠中に鳴く」という句が、この諺の初めらしいが、こんな情愛も時代とともに薄れつつある。


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