みけの物語カフェ ブログ版

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「しずく7~消えた女」

2014-02-15 10:05:07 | ブログ連載~しずく
 男の冷たい無表情(むひょうじょう)な目が月島(つきしま)しずくを見つめたいた。しずくは男の手を振り解(ほど)こうともがいていたが、だんだん力が抜(ぬ)けていき、意識(いしき)が薄れていく。
 男がしずくの胸(むね)に刃物(はもの)を突(つ)き立てようとしたとき、男の腕(うで)を掴(つか)んだ手があった。男は振り向く間もなく、次の瞬間(しゅんかん)には道路へ倒れ込み、そのまま動かなくなってしまった。
「大丈夫(だいじょうぶ)?」と女の声がした。しゃがみ込んでいたしずくは、喘(あえ)ぎながら見上げる。その視線の先には、女性がひとり立っていた。そこへ、友だち二人か駆(か)け寄って来る。
 パトカーや救急車の赤いランプが辺(あた)りを染(そ)めていた。周辺(しゅうへん)は騒然(そうぜん)となっている。男は駆けつけた警官たちに取り押さえられ、被害者の女性は救急車で運ばれて行った。手当を受けていたしずくのところへ刑事がやって来た。しずくは事情を訊(き)かれて、
「突然襲(おそ)われて…。でも、女の人が助けてくれたんです」
 刑事は興味(きょうみ)を持って訊き返す。「それは、どんな人でした?」
 しずくは周りを見回したが、その女性はいつの間にか消えていた。
「髪(かみ)の長い人で、顔は…、よく覚(おぼ)えてません」
 しずくはそばにいた友だちに、「あなたたちも見たでしょ? 私を助けてくれた人」
 水木涼(みずきりょう)がそれに答えて、「何を言ってるの? そんな人いなかったわ。しずくが犯人(はんにん)を突き飛ばしたんじゃない。私たち、もう死んじゃうんじゃないかって…」
 涼の目に涙(なみだ)が光った。川相初音(かわいはつね)は、しずくをギュッと抱きしめた。
<つぶやき>謎の女性はどうして消えたのか? つくねの言ったことが本当になって…。
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