みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0978「友釣り?」

2020-11-02 18:02:44 | ブログ短編

 久(ひさ)しぶりに友人(ゆうじん)のアパートを訪(たず)ねた彼。けど、扉(とびら)を開けたのは美しい女性だった。彼は、部屋を間違(まちが)えてしまったのかと戸惑(とまど)った。どぎまぎしていると、部屋の奥(おく)から友人が顔を出した。友人は彼女を紹介(しょうかい)して、「俺(おれ)、こいつと一緒(いっしょ)に暮(く)らしてて――」
 彼は、目を丸(まる)くした。なぜだ? なぜ、こんなヤツに女が!
 彼は友人を表(おもて)に連(つ)れ出した。そして、会っていなかった間に何があったのか問い詰(つ)めた。友人は鼻(はな)の下を伸(の)ばしながら、さも自慢気(じまんげ)に言った。
「実(じつ)は…、彼女とは運命的(うんめいてき)な出会(であ)いだったんだよ。来月さ、俺たち結婚(けっこん)するんだ」
「まじか? そ、そんな…。お前、欺(だま)されてんじゃないのか? 本当(ほんとう)に…」
「彼女がそんなことするわけないだろ。彼女から告白(こくはく)されたんだ。とうとう、俺にもその時がきたってことさ。どうだ? うらやましいだろ?」
「そ、そんなことは…。でもな、なぜあんな娘(こ)が、お前なんかに…。あり得(え)ないだろ?」
「ひがむなよ。そうだ、結婚式には招待(しょうたい)してやるよ。絶対(ぜったい)、来いよ」
「えっ…。まあ…、考えとくよ。行けるかどうかは――」
「来るんだ。俺が、お前にチャンスをやるよ。彼女の友だち、美人(びじん)ばっかりだぞ。俺も、びっくりしたよ。みんな決まった相手(あいて)はいないんだって――」
「えっ、まじか? でも……。分かった。結婚式はいつなんだ?」
<つぶやき>いやいやいやいや…。これはどうなんでしょ? 欺されてる気がしないでも。
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