みけの物語カフェ ブログ版

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0288「隣の神様」

2018-08-13 19:05:48 | ブログ短編

 私の家の隣(となり)には神様(かみさま)が住(す)んでいる。そのことを知ったのは、四月の下旬(げじゅん)。私が遅刻(ちこく)しそうになった時だった。もう完全(かんぜん)にアウトだったのに、神様が私を会社(かいしゃ)まで飛(と)ばしてくれた。おかげで余裕(よゆう)でセーフになった。それ以来(いらい)、何か困(こま)った時にはお願いすることにした。
 月末(げつまつ)でピンチの時には、各地(かくち)の名産品(めいさんひん)を届(とど)けてもらい。うちでパーティを開いた時は、部屋の飾(かざ)り付けや豪華(ごうか)な料理(りょうり)までそろえてもらっちゃった。おかげで、友だちからもうらやましがられ、何だかセレブな気分(きぶん)を味わうことができた。
 年末の大晦日(おおみそか)。ポストに一通(いっつう)の封筒(ふうとう)が入れられていた。封筒には差出人(さしだしにん)がなく、私の名前だけが書かれている。不審(ふしん)に思い中を見てみると、一枚の請求書(せいきゅうしょ)が入っていた。私は、その金額(きんがく)を見て驚(おどろ)いた。70万! 何なのよ、これ…。明細(めいさい)を見てみると、名産品各種(かくしゅ)、パーティ料理、輸送代(ゆそうだい)などなど――。
 これって、もしかして…。私は隣の神様のところへ急いだ。お金がかかるなんて、聞いてないんだから。でも、隣には誰(だれ)もいなくて、どうやら引っ越したようだ。私はホッとした。これで払(はら)わなくてもいいかも、ラッキーっ。部屋へ戻ると、私はもう一度請求書を見てみた。すると、一番下の蘭(らん)に但(ただ)し書きが――。
<もし期限(きげん)までに支払(しはらい)がない場合は、あなたの寿命(じゅみょう)から引き落とさせていただきます>
<つぶやき>神様だって、いろいろと経費(けいひ)がかかるんです。お願いは慎重(しんちょう)にしましょうね。
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