みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0226「変化の隙間」

2018-06-11 18:46:34 | ブログ短編

 私は、他の人が感じないような特別(とくべつ)な感覚(かんかく)を持っている。例(たと)えば、天気(てんき)の変わり目とか、仕事(しごと)の善(よ)し悪(あ)しも分かってしまう。私、思うんだけど。きっと、その変わり目というか、何かと何かの隙間(すきま)には特別な何かがあるんじゃないかしら。でも、そのことに気がつく人は、ほとんどいないのかもしれない。
 人間関係(かんけい)なんかもそう。この人はどんな気分(きぶん)でいるのか、だいたいピンときてしまう。良さそうな人でも、どこかでこの人はダメって感じてしまうの。まあ、そのおかげというか、ひどい失恋(しつれん)は経験(けいけん)しないですんでいるけど。
 今の彼と付き合い始めた時も、この人は大丈夫(だいじょうぶ)って感じていた。だからなのか、今まで仲良(なかよ)く続いている。そりゃ、ちょっとしたことで喧嘩(けんか)をすることはあるわよ。でも、意見(いけん)が合わないことは誰(だれ)にでもあるし、気持ちがすれ違うことだってごく普通(ふつう)のことよ。
 でも…。今、私、何か変な感覚(かんかく)を味(あじ)わっている。今まで、こんなことは無(な)かった気がする。目の前には彼がいて、何かいつもと様子(ようす)が違(ちが)うの。何かをやらかしそうな…。そういえば、このところ仕事が忙(いそが)しくてゆっくり会う時間なかったし…。まさか、別れ話をしようってことじゃ…。私は、この感覚に堪(た)えきれず、思わず言ってしまった。
「言いたいことがあるんだったら、はっきり言いなさいよ。私はいつだって…」
<つぶやき>彼は何をしようとしてるの? この変化(へんか)の隙間(すきま)には、何が存在(そんざい)しているのか。
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