日頃の何氣ない風景 ・音楽鑑賞・株投資、感じた事を

音楽鑑賞の感想雑文と、相場から経済情勢を
御礼
7年間 総閲覧数2,907,866  

12日 グスタフ・マーラー・オケ ・マーラー:第6番・さすらう若人の歌独唱:蔵野 蘭子

2009-07-12 | 東京響  ・三ツ橋敬子 
 感動しました、よく練習を積んでますね、6番のブラス力、弦群の合奏アンサンブルと素晴らしい・・過去にプロオケは5回ほど聴いてますが、今回は感じて動かされた演奏です、特に2楽章(以前の3楽章)が弱音の弦の歌と、木管に歌があり・・美しいかった、予期せず、涙か流れました・・全曲を通しても音楽の流れ良い・・

指揮:井上 喜惟,独唱:蔵野 蘭子さんは、度々共演してますね、昨年の2番の歌唱も素晴らしかった、今回は歌曲集「さすらう若人の歌」をオケのサポートも絶妙でした 特に第3曲「僕の胸の中には燃える剣が」 の歌唱が素晴らしい・・

 アマの良さは、ひたむきさ、演奏をする喜びが、音楽からも感じられますね・・
以前にプーレーズ指揮、マーラーユーゲントオケ(25歳までのプロ集団)で6番を聴いてますが・・同等の感動を受けました・・・ブラヴァー ブラーヴォ
【男がブラヴォーで、女はブラヴァー】

ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ・・・アマオケ
第7回定期演奏会
◆日時:2009年7月12日(日)12:50開場 13:30開演
◆会場:ミューザ川崎シンフォニーホール 音楽ホール
◆曲目:グスタフ・マーラー:歌曲集「さすらう若人の歌」
   グスタフ・マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
◆指揮:井上 喜惟
◆独唱:蔵野 蘭子          ◆全席自由席1-C:2,000円・超安い

:歌曲集「さすらう若人の歌」
第1曲「恋人の婚礼の時」
男は、恋人を失った悲しみを他人に打ち明けている。
男は世界の美しさについて語るが、それは悲しい夢から自分を目覚めさせてはくれないのだ。オーケストラの質感は、ダブルリードや弦楽器の多用によって、甘く切ない。

Wenn mein Schatz Hochzeit macht,
Fröhliche Hochzeit macht,
Hab' ich meinen traurigen Tag!
Geh' ich in mein Kämmerlein,
Dunkles Kämmerlein,
Weine, wein' um meinen Schatz,
Um meinen lieben Schatz!

Blümlein blau! Blümlein blau!
Verdorre nicht! Verdorre nicht!
Vöglein süß! Vöglein süß!
Du singst auf grüner Heide.
Ach, wie ist die Welt so schön!
Ziküth! Ziküth!

Singet nicht! Blühet nicht!
Lenz ist ja vorbei!
Alles Singen ist nun aus!
Des Abends, wenn ich schlafen geh',
Denk'ich an mein Leide!
An mein Leide!
愛しい人が婚礼をあげるとき、
幸せな婚礼をあげるとき、
私は喪に服す!
私は自分の小部屋、
暗い小部屋に行き、
泣きに泣く、愛しい人を想って、
恋しく愛しい人を想って!

青い小花よ! 青い小花よ!
しぼむな! しぼむな!
甘い小鳥よ! 甘い小鳥よ!
君は緑なす野原の上で、こうさえずる。
「ああ、この世って、なんて美しいの!
ツィキュート! ツィキュート!」

歌うな! 咲くな!
春はもう過ぎたんだ!
歌はすべて終わった。
夜、私が眠りに入るときも、
私は苦しみを思うだろう!
苦しみを!
第2曲「朝の野を歩けば」
曲集中で最も陽気な楽曲。実際にも歌われているのは、
鳥のさえずりや牧場のしずくのような何気ないものの中で、
美しい自然界を練り歩く喜びであり、「これが愛すべき自然ではないというのか?」という自問自答がルフランで繰り返される。しかしながら、男は最後になって、恋人が去ってしまった以上、自分の幸せが花開くこともないのだと気づいてしまう。管弦楽伴奏版は、繊細な音色操作が行われ、高音域で弦楽器やフルートが利用され、トライアングルもかなり活用されている。この曲の旋律は交響曲第1番にも利用された。

Ging heut morgen übers Feld,
Tau noch auf den Gräsern hing;
Sprach zu mir der lust'ge Fink:
"Ei du! Gelt?
Guten Morgen! Ei gelt?
Du! Wird's nicht eine schöne Welt?
Zink! Zink!
Schön und flink!
Wie mir doch die Welt gefällt!"

Auch die Glockenblum' am Feld
Hat mir lustig, guter Ding',
Mit den Glöckchen, klinge, kling,
Ihren Morgengruß geschellt:
"Wird's nicht eine schöne Welt?
Kling, kling! Schönes Ding!
Wie mir doch die Welt gefällt! Heia!"

Und da fing im Sonnenschein
Gleich die Welt zu funkeln an;
Alles Ton und Farbe gewann
Im Sonnenschein!
Blum' und Vogel, groß und Klein!
"Guten Tag,
ist's nicht eine schöne Welt?
Ei du, gelt? Schöne Welt!"

Nun fängt auch mein Glück wohl an?
Nein, nein, das ich mein',
Mir nimmer blühen kann!
今朝、野を行くと、
露がまだ草の上に残っていた。
こう、陽気な花鶏(アトリ)が話しかけてきた。
「やあ君か! そうだろう?
おはよう、いい朝だね! ほら、そうだろ? 
なあ君! なんて美しい世界じゃないか?
ツィンク! ツィンク!
美しいし、活気に溢れてるよなあ!
なんて、この世は楽しいんだろう!」

それに、野の上のツリガネソウは
陽気に、心地よく、
その可愛らしいツリガネで、キーン、コーンと、
朝の挨拶を鳴り響かせた。
「なんて美しい世界じゃない?
カーン、コーン! 美しいものねえ!
なんて、この世は楽しいんだろう! ああ!」

そして、陽の光をあびて
たちまち、この世は輝きはじめた。
あらゆるものが音と色を得た—
陽の光をあびて!
花も鳥も、大きいものも小さいものも!
「こんにちは、いい日和だね、
なんて美しい世界じゃないか?
ほら君、そうだろう? 美しい世界だろう!」
では、いまや私の幸せも始まったのだろうか?
いいや、いいや、私の望むものは
決して花開くことがない!
第3曲「僕の胸の中には燃える剣が」
絶望の表現に満たされている。主人公は、失った恋人が自分の心臓に鋼のナイフを突き立てたという思いに苦しんでいる。主人公は、身の回りのすべてのものが恋人を連想させるというほどに、明らかに執念にとり憑かれており、自分にナイフがあればよいとさえ願う。音楽は濃密かつ感動的で、主人公の妄執の悩ましさに一致している。

Ich hab'ein glühend Messer
Ein Messer in meiner Brust,
O weh! Das schneid't so tief
in jede Freud' und jede Lust.
Ach, was ist das für ein böser Gast!
Nimmer hält er Ruh',
Nimmer hält er Rast,
Nicht bei Tag, noch bei Nacht, wenn ich schlief!
O weh! O weh!

Wenn ich den Himmel seh',
Seh'ich zwei blaue Augen stehn!
O weh! O weh! Wenn ich im gelben Felde geh',
Seh'ich von fern das blonde Haar im Winde wehn!
O weh! O weh!

Wenn ich aus dem Traum auffahr'
Und höre klingen ihr silbern' Lachen,
O weh! O weh!
Ich wollt', ich läg' auf der Schwarzen Bahr',
Könnt' nimmer, nimmer die Augen aufmachen!
燃え盛るナイフが、
一本のナイフが胸の中に!
おお、痛い! ナイフは余りにも深々と
喜びと楽しみ一つ一つに突き刺さっている。
ああ、なんと忌まわしい客なんだろうか!
決して休むことなく、
決して止むことなく、
昼となく、夜となく、眠っている間にも!
おお、痛い! おお、痛い!

空を見ると、
二つの青い眼が見える!
おお、痛い! おお、痛い! 黄色の野を行くと、
ブロンドの髪が風になびいているのが見える!
おお、痛い! おお、痛い!

夢からとび起きて、
彼女の白銀のような笑みが聞こえたとき、
—おお、痛い! おお、痛い!—
こう願った、私が黒い棺に横たわっていたならと、
目が二度と、二度と開かなかったならと!
第4曲「恋人の青い瞳」
明らかに解決の楽章である。控えめで穏やかで叙情的で、和声法はしばしばコラール風である。恋人のまなざしの面影にどんなに自分が苦しめられたか、もう耐えられないほどだと歌われている。男は菩提樹の木陰に横たわり、何事も起こらなければよい、万事好転すればよい(「何もかも。恋も、悲しみも、世界も、夢も!」)と願いながら、花びらが体の上に覆いかぶさるのに任せる。この曲の旋律も交響曲第1番に転用された。

Die zwei blauen Augen
von meinem Schatz,
Die haben mich in die
weite Welt eschickt.
Da mußt ich Abschied nehmen vom allerliebsten Platz!
O Augen blau, warum habt ihr mich angeblickt?
Nun hab'ich ewig Leid und Grämen.

Ich bin ausgegangen in stiller Nacht
Wohl über die dunkle Heide.
Hat mir niemand ade gesagt, ade!
Mein Gesell' war Lieb' und Leide!

Auf der Straße steht ein Lindenbaum,
Da hab'ich zum ersten Mal im Schlaf geruht!
Unter dem Lindenbaum, der hat
Seine Blüten über mich geschneit,
Da wußt'ich nicht, wie das Leben tut,
War alles, ach, alles wieder gut!
Alles! Alles, Lieb und Leid
Und Welt und Traum!
二つの青い眼、
愛しい人のが、
私をこの
広い世界へと追いやった。
さあ、私は最愛の地に別れを告げなければ!
おお、青い眼よ、なぜ私を見つめたりしたんだ?
いま私にあるのは、永遠の苦しみと嘆きだ。

私は旅立った、静かな夜に、
暗い荒れ野をすっぽりと包む夜に。
惜別を私に告げる者などいないが—さらばだ!
私の仲間は愛と苦しみだった!

街道のそばに、一本の菩提樹がそびえている。
その蔭で、はじめて安らかに眠ることができた。
菩提樹の下、
花びらが私の上に雪のように降り注いだ。
人生がどうなるかなんて知りもしないが、
全て—ああ—全てが、また、素晴らしくなった。
全て! 全てが、恋も、苦しみも、
現(うつつ)も、夢も!


ジャパン・シンフォニアHP
ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ
第6交響曲の作曲
1903年の夏、休暇中にマイヤーニッヒの作曲小屋で第6交響曲の作曲に着手し、第1楽章、第2楽章、第3楽章を完成する。この休暇中、トブラッハへハイキングを楽しんでいる。
翌1904年の夏、同じくマイヤーニッヒの作曲小屋で『亡き子をしのぶ歌』の第3曲、第5曲を作曲して完成させ、9月9日に第6交響曲の第4楽章を作曲して完成。第7番の二つの「夜曲」(第2楽章、第4楽章)も作曲する。
この秋にマーラーがシュペヒトに宛てた手紙には、「僕の第6は、聴く者に謎を突きつけるだろう。この謎解きには、僕の第1から第5までを受け入れ、それを完全に消化した世代だけが挑戦できるのだ」と書いている。
最終的には1905年5月1日にオーケストレーションが終了している。
自作の上演、オランダ旅行
この前後、1903年1月にはヴィースバーデンで交響曲第4番、4月にはレムベルクで交響曲第1番、6月にはスイスのバーゼルで交響曲第2番を指揮した。
翌1904年には、ハイデルベルクやプラハ、ケルンで第3番を指揮し、マイエンでは第4番を指揮するなど相次いで自作を指揮した。夏の休暇が明けた10月にはケルンで交響曲第5番を指揮。12月14日と22日にはウィーン・フィルを指揮して交響曲第3番のウィーン初演を果たす。
1903年10月下旬にマーラーは初めてオランダに旅行し、ここでも交響曲第1番、交響曲第3番をアムステルダム・コンセルトヘボウを指揮して上演。成功を収めたマーラーは翌1904年10月にもアムステルダムで第2番、第4番を指揮している。
初演と出版
初演
1906年5月27日、エッセンの全ドイツ音楽協会音楽祭にて、マーラー自身の指揮によって初演。このときマーラーは、中間楽章をスケルツォ-アンダンテの順で完成していたが、リハーサルの過程でアンダンテ-スケルツォの順とすることを決め、この順で演奏した。プログラムに差し込まれたマーラーの告知文にもアンダンテ-スケルツォの順とされている。
打楽器を中心にした大管弦楽によるこの初演を聴いた人々は当惑したと伝えられる。当時の風刺雑誌には、さまざまな楽器の山を前にしたマーラーのカリカチュアが描かれており、この絵のなかでマーラーは「畜生、警笛を忘れていたぞ! これでもう1曲交響曲が書ける」と叫んでいる。
1907年1月4日、マーラーの指揮によってウィーン初演され、これがマーラーが第6番を指揮した最後の機会となった。このとき、プログラムには中間楽章はアンダンテ-スケルツォの順で印刷されたが、エルヴィン・ラッツは、演奏ではスケルツォ-アンダンテの順に「戻した」としている。(→中間楽章の配置)
出版
楽譜は初演と同じ1906年、カーント社から出版されたが、エッセンでの初演時にマーラーが第2楽章と第3楽章を入れ替えたこともあり、都合3種類出版されている。すなわち、当初のスケルツォ-アンダンテの順で、楽章入れ替えの紙片を挟み込んで出版(第1版・第1稿。マーラーはこの版で初演の練習をした)。次に、内容は変えず初演に合わせてアンダンテ-スケルツォへと楽章を入れ替え(第2版・第1稿)。さらに、第2版の楽章順に加えてその他の変更を盛り込み、とくに第4楽章ではハンマー打撃の3回のうち最後の1回を削除した(第3版・第2稿)。
1963年、国際グスタフ・マーラー協会(エルヴィン・ラッツ校訂)による「全集版」がカーント社から出版された。このとき中間楽章の順はスケルツォ-アンダンテとされた。また、1907年1月7日にマーラーがウィレム・メンゲルベルクに書き送った第4楽章の微修正も盛り込まれた。
1998年、カール・ハインツ・フュッセル校訂によって「全集版」の新校訂版がペータース社から出版された。中間楽章の順はスケルツォ-アンダンテのままである。
楽器編成
ピッコロ、フルート 4(ピッコロ持替え 2)、オーボエ 4(コーラングレ持替え 2)、コーラングレ、クラリネット 4(ソプラニーノクラリネット持替え 1)、バスクラリネット、ファゴット 4、コントラファゴット
ホルン 8、トランペット 6、トロンボーン 4、チューバ
ティンパニ 2人、グロッケンシュピール、カウベル、むち*、低音の鐘(ティーフェス・グロッケンゲロイデ、複数)、ルーテ、ハンマー、シロフォン、シンバル、トライアングル、大太鼓、小太鼓、銅鑼、そりの鈴*、ウッドクラッパー(振るとかたかた音の出る木のおもちゃ)*
ハープ 2、チェレスタ
弦五部
※ 国際マーラー協会による「全集版」による。*を付したものは、「カーント版」(第1稿)の指定。同稿ではチェレスタは「できれば2台、またはそれ以上」とされている。ブーレーズの6番 03年