暇つぶしです

私が思いついた事を書くだけのブログです。

世界文明と日本との文化の型の違い

2010-04-02 16:18:22 | Weblog

 先日私が旅行に行った時、バスの車内で以下のようなおしゃべりをしている人がいました。ユニクロは実力主義で給料が決まるという話について。ユニクロの倉庫の仕事らしいが。

 ユニクロの倉庫の仕事は、その仕事がどれだけ出来るかによって決まると。男女年齢関係なしに、と。で、上司の推薦がないと、管理職試験は受けられないが。その上司に嫌われる場合はどうするのかというと。月にいっぺんほど、他の店舗から店長が来て、「なんで、この人は優秀な人なのに、こんな給料なのだ」という視察が入るので、大丈夫なのだ、というお話でした。

 それを聞いて、私は、「いかにも、外資系的(ユニクロは外資系の会社ではないが)(欧米的なというべきかもしれないが)実力主義の公正さの評価をしている会社だな」と感じたのであるが。

 しかし、日本人がこの会社に、入社したいと思うかと言えば、それは別であろう、と。まあ、一応、女性が腰かけとして入るには、良い会社かもしれないが。男性が、「この仕事で一生食べていくぞ」として、働きたいと思う会社ではないという感じがしました。

 なぜなら、そりゃ、入社1年目の人の給料と、5年目の人の給料とでは、5年目の人の給料の方が高い会社でしょうが。5年目の人の給料と、10年目の人の給料が高いかどうかについては、疑問が残るということで。40歳過ぎたら、20歳の時より、おそらく(この評価基準では)給料は減っているであろう。倉庫の仕事というのは、体力勝負な部分があるからね。

 外資系の能力主義は、一見、公平に見える。しかし、こう考えてみると、人材集めの点からいえば、日本の年功序列も、意味があることが分かる。

 しかし、外資系の能力主義とは一体なんだろう、と思う。会社の目的からすれば、会社の役に立つ人に高い給料を与えるのは、当然のことである。しかし、それで、人間が動くかと言えば疑問な点が多いような気がする。

 話は、変わるが。最近読んだ本にこういうことが書いてあった。ある日本人がある欧米人を日本観光につれていった。その欧米人が園芸に興味のある人なので、それにまつわる所について、連れていったがそういう内容に感銘を受けた風ではなかった。しかし、日本の街路樹の弱った木に、丁寧に、添え木をしているのに、感動していた。欧米では、日本よりも、はるかに高い金をかけて、町の木の手入れをしているが、弱りだした木については、「見苦しいから」という理由で、簡単にその木を切ってしまうらしい、と。その点、日本の町の木は、健康な時は、大したお金もかけられていないが、一旦弱ると、高い金をかけて、丁寧に扱っている、と。

 欧米的実力主義は、「会社に利益を与えた人に、利益を与えよう」という意味では公正だと思うが。それは、「会社に利益に与えない人は、首にしてしまいます」というのと、同じだと思う。

 ある、日本人の人(島田伸介さん)は、「企業は顧客満足度を目指すが、顧客満足度は、みんなが考えていることなので、それでは差がつかない。だから、従業員満足度を考えるべきだ」ということを書いていたのですが。しかし、日本には、昔から、従業員満足度という発想はあります。

 ある日本の電気メーカー(旧名ナショナルという会社の事だったと記憶しているが)の社長さんは、バブルかそのちょっと前ぐらいの頃、「私達の目標は、世界中にわが社の製品を売って、従業員数をどんどん増やしていくことである」と言っていましたが。

 その時は、「傲慢な意見だ」と思いました。なぜなら、その会社は、その会社の製品を安い値段で売る小売店に対して、圧力をかけて、安い値段で売らせないようにしていた、会社だったからです。でも、この企業の発想を今の、日本語でいえば、「顧客満足度より、従業員満足度」ということでしょう。その企業の社長にとっての目標は、顧客満足度ではなく、従業員満足度であった、ということです。

 これは、ある意味、非常に奇妙な考えに見えますが。一つの考えであると思います。しかし、こんな意見を言う会社が、世界的電気メーカーなのだから、ある意味すごいと言えばすごいです。

 日本的、理想の従業員とは、自分の頭で考える従業員の事でしょう。しかし、欧米的従業員とは、上の与えた目的を忠実に実行する従業員のことでしょう。アマゾン(インターネット注文による、商品の販売会社)で言えば、「目的の物を、すばやく、出荷させられる能力」だけが、重要なことであって。「アマゾンが、日本に税金を納めていない問題については、何も考えるな」ということでしょう。

 アメリカにはこういう問題があります。要するに、上の与えた目的を達成する能力だけが問題なのである。後のことはいらない、と。

 例えば、アメリカの貧困について書いてあったある漫画仕立ての本には。

 アメリカの軍隊で、一番人気のある仕事が、一般軍人が唯一なれるホワイトカラーの職である、貧困層の高校生に対する軍人勧誘の仕事である、と。で、その仕事も、勧誘する人数の少ない人は容赦なくその仕事から外される、と。いう話を書いていたのですが。

 しかし、アメリカ人から見れば、これは公正な制度なのでしょう。みんなに入口を開いておいて、その能力のない人はその仕事から外される、というのはね。

 でも、日本人からすれば、「アメリカ人の醜い側面」にしか見えない。勧誘する側だって、本当は軍人にならせることが良いことだなんて、ほとんどの人は思っていないはずである。しかし、それをさせる。それが、アメリカ的公正さだという。それはアメリカの欺瞞ではないのか、と。日本人は思う訳である。

 その目標が正しいかについては、考えるな。あなた方は、自分達の目的にそう行為だけすれば良いと。感情については、どこかにおいておけ、という訳である。

 日本では、投資信託等の勧誘の仕事が、勧誘数に応じた給料の部分があることについて問題にしている人がいましたが。要するに、アメリカ人からすれば。投資信託が顧客の利益につながるかなんてどうでも良い。ただ、上の与えた仕事、「投資信託をたくさん売れ」というのが、どれだけ、達成できるかだけが問題だ、ということでしょうね。

 従業員満足度を考える、日本の経営と。会社の利益、もっと正確にいえば、一番上の人間、会社を支配する人間にとっての利益だけを目的とする経営との違いというのは、何だろう、と考えてしまいます。

 なんか、「神様に関する問題」を考えてしまうのだけれども。

 日本の神様とは、「人間のため」に存在するのであるが。欧米的神様、というか一神教の神はこういう神です。「神の言うことを聞かないと、あなたは地獄に落ちます」という神です。これを、会社にあてはめると、「トップの言うことを聞かない従業員は解雇されます」ですね。で、日本的神とは、「従業員のために、会社の社長は存在する」ということで。

 そう考えてみると。日本的会社と、日本的神は、別におかしな神でもおかしな経営でもないことが分かります。

 (とりあえず、投稿)

にほんブログ村 経済ブログへ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にほんブログ村バナー

にほんブログ村 ブログブログ 雑記ブログへ
にほんブログ村 にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へ
にほんブログ村 にほんブログ村 科学ブログ リケジョ・理系女子へ
にほんブログ村

人気ブログランキングバナー

社会・経済ニュースランキング
社会・経済ニュースランキング 社会・政治問題ランキング
社会・政治問題ランキング 日記・雑談(40歳代)ランキング
日記・雑談(40歳代)ランキング 理系女子日記ランキング
理系女子日記ランキング