『金さえあれば問題は解決するのだ』という意見と同じように。『経済成長さえすれば問題は解決するのだ』という考えが、多くの言論人が、無条件の前提として信じていることで。それさえ、あれば問題はすべて、解決する、と彼らは主張する。問題は、経済成長を実現する為の方法がどれも上手くいかないことであり。だから、本当は、マイナス経済成長を前提とした上で、どうやったら、幸福になれるか、考えないといけないのに。いまだに、『経済成長さえすれば問題は解決する』という、まるで、『お金があれば、すべては解決する』というような主張をしている、ということで。
私達の学校では、いまだに、『どうやったら、人と良い関係を築く事の出来る人間になれるか』と言う事について、教えていません。
『神との対話』の神は、『小学生の子どもは、三ケタの足し算について教えられても、友達にどうやったら、かみつかないでいられるかと言う事について、教わっていない』と言う。
勝間和代さんは、『日本では、いじめをどうやったらしないで済むかという、加害者に対する、スキルトレーニングは行われていない』と書いています。（２０１２年８月１８日、水、毎日新聞）
性犯罪者に対して、罰を与えるだけでは問題は解決しない。それなりの、カウンセリングをしないと。でも、罰だけ与えて満足しているのが、今の社会であるということで。もちろん、これは、日本だけの問題ではないが。
『学校は、勉強だけ教えていれば良い』というのが、今の社会の在り方です。『どうやったら人と良い関係を築く事が出来るか』という教育、知恵は、今の学校教育では行われていません。本当は、知識を教え込ませるより、そちらの方がずっと、大事な事かも知れないのに。
“降りていって”何が見えるか、と言う事が、保障されている訳ではない。誰だって、障害者になるのは嫌だし、マイナス経済成長、すなわち、給料の減少は嫌です。経済人が、『公務員の給料半減計画は、マイナス経済成長計画であり、それを実行すべきである』と口に出来ないのは分かる。
でも、障害者の人達がうすうす感じているように。もう、元の世界には戻れないと思った、すなわち、障害を受容した所で、見えてくる、新たな世界、幸せがある。そこが、ポイントじゃないかなと思う。
「マイナス経済成長は正しい事である」としたとたん見えてくる世界がある。
堺屋太一さんは、『中世の時代には、“神と祈りについて思いを巡らす事”が正しい事であった』と書いていたが。
これからの時代は、学校教育で、いかにして富を稼ぐかという方法ではなく、私達が平和に生きていく為の方法について、学ぶのではないかと思う。
学校で、“勉強する事”が、正しい事とされたのは、“勉強”によって、高い学歴が得られ、給料の高い仕事に就く事が出来たからである。今は、東大生でも、就職出来ない人が出てくる時代だし。そして、就職は、面接重視になった。学校の成績ではなくて。
橋下さんが大阪都構想を掲げているが。
橋下さんの大阪維新の会は、橋下さん以外は、馬鹿ばっかりな感じ。
なんとなく思うけれども。本当に社会を変えるエリートなんて、ほんの１０人いれば、儲けもののというのが事実ではないかと思う。
スポーツ選手を、『政治家より立派な日本の代表である』という人達が大勢いる。
でも、社会において、スポーツ選手が何の役に立つのかと思う。
まあ、本当に世の中を変えるエリートなんて、１０人もいないのでしょうね。で、その代わりに、スポーツ選手をあがめると。そしたら、自分は何のリスクも取らないで済むからということで。
競争を下りた先に見えてくる世界があると思う。
“障害の受容”という言葉があるけれども。「“頑張った”所で、“経済成長＝給料の増加”は不可能である事実を、認めなさい」と。
昔（バブル末期）は、『１億全市町村交付金』の１億が大金に感じられたのだけれどもねえ。
もう一度、１億が大金に思える時代に戻さなければならない。
それでないと、始まらないと思う。
「私は少ない給料で、幸福を感じながら生きていける方法が知りたい」と。
もう一度、１億が大金に思えた時代に、逆戻りさせなければ。
それでないと、もう一度幸福を感じられる時代に戻る事は不可能だと思う。
問題は、客観的指標にあるのではなく、主観的見方にあるのだから、と。
