週刊朝日に、脱北者で、今日本に住んでいる人の話が載っていました。で、その文章に最後に書かれていたのが、「日本政府は、自分達、脱北者の就職のあっせんをしてくれない」という不満でした。その人の子ども（娘）は（日本の）大学に通っているとのことだったのに。
こういう不満は以前にも読んだことがあります。脱北者で、日本に住んでいる人が、「日本政府は、就職の世話をしてくれない」と言って文句を言っている人がいましたが。なぜ、日本政府が脱北者の就職の世話をしないといけないというのであろうか。
最初の人は、「日本に住んでいたことがあるから」とのことだったので、多分、５０歳代か、６０歳代でしょう。就職がないということは、おそらく、生活保護でも受けているのでしょう。で、一度目の脱北失敗の後、北朝鮮に送還されて、拷問を受けているとのことでした。なぜ、日本に行けて、住めて、「ここは地上の天国だ」と思わないで、不満を述べるのか、その理由が分からない。
多分、共産主義国に住んでいたという経歴がそう考えさせるのだと思います。「不幸は、政府の責任」という思想です。
共産主義が崩壊したのは、その体制下にいる人間に、「すべての不幸は、政府の責任である」という思想にさせるからではないだろうか、と。
中国が共産主義体制を修正せざるを得なくなったきっかけとして、こういう話があります。中国は、共産主義の理想を実現するべく、「すべての国民は、好きなだけ、ご飯を食べられるようにしました」。その結果、食糧消費は増加しました。しかし、生産を国の所有としたため、みんなが農作業に働く意欲がなくなり、食糧生産は減少していきました。故に、中国に餓死者が出る羽目になりました、と。それ以前の体制では、餓死者はいかなったのに。
共産主義崩壊の理由として、共産主義崩壊後に出た意見として、「共産主義は、働く意欲を人々に無くさせるから、ダメだったのである」という意見を言う人達がいます。私もその通りだと思います。共産主義は、自分は働いていないのに、消費する権利だけはあると考える人達ばかりを作ることになります。だから、共産主義はダメなのである、と。
日本でも、傷病手当をもらっておきながら、文句を言っている人を読んだことがあります。その人がいうには、「傷病手当は、１カ月遅れでしかもらえないから、困る」と。しかし、本当は、「この国に傷病手当という制度があるなんて、なんて、ありがたいことだろう」と思わないといけないのに、と私は思いました。変な話だな、と。
勝間さんの、「不幸にならない生き方」を読んでいても思ったのですが。不幸を他人のせいにする人達がいます。しかし、バーシャルの言っている通り、「他人に与えた分だけしか、自分には帰って」きません。もちろん例外はいっぱいあるけれども。「他人に与えた以上の分を得た時には、それについて、感謝すべき」だし。「他人に与えた分以下しか、自分に返ってこない」人もいるけれども。それは、人に与えるという行為が出来る時点で、とてもありがたいことです。自分に与えるものがないと、与えることが出来ないのだから。人に与えられるだけの物を持っていることに感謝すべきです。「他人に与えた以上の物を得る人」とは、例えば、生活保護を受けている人達のことだし。「他人に与えたもの以下のものしか、得ていない人」とは、例えば、所得税４０％を、何十年間も支払っている人のことでしょう。
勝間さんの言っていることは、他の人の噂とはちょっと違う感じでした。要するに、私から言わせれば、「不幸を言わずに、感謝しよう」ということなのではないか、と。
ある人がちょっと、お金に困っていたとします。その時、誰かが、その人に対して、１万円くれました。それに対して、「１万円ぽっちじゃ何も出来ない」という人もいれば。「１万円くれて、これだけのことが出来た」という人がいます。で、その人に１万円をあげた人は、次に、また誰かに１万円あげようかなと感じた時に、どちらの人に、お金をあげようとするでそうか、という話だと思います。
不満ばかり言う人に対しては、多分、また次に、１万円あげようという人はいないと思います。それだけのお話。
これは、“強者のメソッド”ではないと思います。人間として、当然の話だから。だから、「スピリチュアルは無駄である」とは言えないと思います。思考を変えるということは重要なことだから。思考を変えれば、心理的幸福だけではなく、物理的幸福もやってくる、と。
