徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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難民問題:ついにオーストリアも受け入れ制限&国境検問強化

2016年02月17日 | 社会

これまでオーストリアはドイツと共に開かれた国境政策を維持し、多くの難民を受け入れてきましたが(人口比ではドイツよりも受け入れ数が多い)、明日から始まるEU難民サミットを前にメルケル独首相の政策に平手打ちを与えるような政策変更を発表しました。

一つは国境検問の強化。オーストリアはスロベニア国境シュピールフェルトに設置されたような4kmに亘る柵に囲まれた国境通過検問ポイントを見本に、他の全ての南側国境通過ポイントも検問強化する構えです。ハンガリー、スロベニア、イタリアとオーストリアの交通もこれによりかなり制限されることになります。特にイタリア国境のブレンナーは交通量が多く、検問再導入による経済的な悪影響が強く懸念されています。

もう一つは難民の受け入れ制限。オーストリア内相ヨハンナ・ミクル・ライトナーによると、オーストリアは今後一日80件までしか難民申請を受け付けないという。またドイツを目指している難民は一日3200人まで入国を許可する構えです。このダブル上限は取りあえず無期限に有効。上限の発効は19日金曜日から。この80件という上限は国境での上限で、国内でなされた難民申請は含まれないそうです。
2016年度は37,500人までの難民を受け入れるといいます。2月17日現在で既に11,000人がオーストリアで難民申請をしました。これに付随する家族呼び寄せによる申請が8,000件になると予想されています。家族呼び寄せによる難民申請も受け入れ上限の計算に入るのか否かまだ不明です。この受け入れ総数は昨年度の半分以下です。

参照記事:
ツァイト・オンライン、2016.02.17付けの記事「オーストリアは南部国境で検問強化」 
ZDFホイテ、 2016.02.17付けの記事「オーストリアは一日80件まで難民申請を受け付ける
ディー・プレッセ(オーストリア)、2016.02.17付けの記事「難民:難民申請一日最大80件まで」