ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第505号 ロハス(ろはす)な海への小さい旅

2010年03月29日 | 放送局

27日の土曜日、NHK函館放送局が主催した標記旅に参加した。
「ロハス」とは、聞き慣れない外来新語だ。
三つの単語の頭文字をとって作られた。
難しい表現を略すれば
「健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイル」とか。

JR函館駅西口で、7:45から受付開始。
ワークショップの①エコたわし組と②海藻アート組 とに分けられた。

 

受付が済むと、仕分けされた組ごとに指定されたバスに乗り込んだ。
8:00、昨夜からの雪が降り積もる肌寒い駅横を出発した。
私は当初、マイカーで直接会場へ行こうと思っていたが、天気予報を考えたらバスが安全と、変更を申し出た。
これは正解だった。

 

行き先は、旧椴法華(とどほっけ)村。
平成の大合併で現在は函館市の行政区域内。
区域は純漁村の町並みと自然風景が存在するから、今回のテーマ「海」には最も相応しい。

車内では、過去に放送されたこの区域の「北海道中ひざくりげ」が放映され、転勤されて行った懐かしい筒井アナの声も聞くことができた。
暖房の良く効いたバスに揺られて一時間、会場の椴法華総合センターには9:00に着いた。

 

二階の大ホールが講義室。
ゆったりとした広さで、メモを取れるように机を配置してくれた心くばりが嬉しかった。
午前の講演タイトルは「海の森からのメッセージ」として二講師が登壇してくださった。

①野田三千代さん(静岡伊豆半島在住・海藻デザイン研究所代表)
★藻場は海の森と言われ、魚類の巣、産卵場になっている。
酸素の供給は、陸と海との植物が半々ずつ担っている。
それは海藻であり植物プランクトンである。

陸の植物が緑色なのは、海草が陸にあがり進化したため。
★だから、海を綺麗にしましょう。
★画像を見てびっくり。悪者にされているエチゼンクラゲ。
でも回りには多くの魚がまとわりついていた。
つまり餌の移動ガソリンスタンドというところかな?

②吉川誠さん(当地区在住・オーガニックケルプ代表)
★「オーガニック」とは有機の意。「ケルプ」とは海藻の意。
これらを念頭に置いた食品事業を展開中。
★この地域は確かに海藻が豊富。
画像でその状況を見せてくれた。水深50cmほどでも多種類の姿が見えた。
★地元の漁師と手を組み、海藻商品の開発・販売が進行中。
★北海道内陸部(後志管内真狩村)に生まれ育ったのに、何故この海地に移住を決意したのか?の経緯。
★海水からの塩作りの経緯。

 

午前の講義が結びとなったのは10::00だった。
このあと参加者は二手に別れた。
①バスに乗り、漁村町並みの散策や塩釜見学。
②昼食に味わってもらう薬膳料理の調理お手伝い。

私は調理大好き人間。迷うことなく②を選んだ。
一階の調理場には、既に地元のご婦人で料理が進行中。
私らグループが飛び込んで、総勢15名ほどに膨れ上がり、活気がわいてきた。
調理の指揮を執るのは、後述する林先生。

私の担当は、油で揚げたホッケをタレをまぶし、皿に盛り付けること。
傍の天ぷら鍋から次から次とホッケが揚り、ざるに入れられる。
その臭いに、私は油酔いしで頭が老人ボケ状況。
でも、なんとか15枚の皿に盛り付けることができた。

 

地元の方々の強力な助力があって、料理は出来上がった。
ダムウェーター(人が乗れないエレベーター)で、二階講義室へ運ぶ。
「誰が?どうの?」と言われなくても、そこは高齢者の集まり。
「次は何をするの?」の疑問がなく、作業が流れていった。

机が対面四人掛けになり、11:00に並べられた料理は四品。
①さんま昆布巻き ②野菜と海草、魚介の蒸し煮 ③ほっけの燻魚 ④大豆と昆布の浸し

 

11:30に散策・見学コースのグループが戻ってきて昼食会。
「いただきまーす」の大きな声で楽しい食事会がスタート
親からもらった、美味しく頂ける自己の健康体に謝々。
そして、作ってくださった方々にも謝々。
美味タイムは、「あっ」という間に終わってしまった。

午後の講義は12:30から。
講師は市内美原町で「料理教室林」 を主宰する林幸子(はやしさちこ)さん。
テーマは「昆布で薬膳料理」だ。

先生の講義はすごかった。
まるで漢方医のような知識をお持ちで、それを分かりやすく解説。
資料も細やかで理解しやすかった。
頂いた資料は末永く保存し、日常生活にも役立て、子や孫にも伝えなければと思った。
これを契機に、健康により一層気を配らねばと痛感した。

充実した貴重な内容の講義は14:00に結びとなった。
「もっと、聴きたかったのにー」が本音。

 

さて、これからがワークショップタイム。
私はエコたわしを作ることにしていた。
一階の視聴覚教室へ移動。
講師は、札幌の「スィーツ&ハンドメイドカフェ「アムチョコ」店長の高田さゆりさん。
お若くて、洗練されたファッションに目を奪われた。


先生から次の三点の品が渡された。
①色違いの抗菌・防臭の毛糸二玉。
②長さ26cmの先端に切り込みが入ったプラスチック製棒二本。
③長さ9cmのプラスチック製くるくるまき用とじ針。

なにしろ手芸的作業は、小学生以来だからもう
55年ぶり。
懐かしさが甦って、しばらくは毛糸を見つめていた。
その時は確か「ぼっこ手袋」を編んだような。
小さくなったセーターをほどき、やかんの口から出る蒸気に当ててしわを伸ばし、再利用の毛糸だった。

 

作り方を簡単に説明すると、ダブルにした毛糸を、二本の棒に8の字を描くように巻きつけていくもの。
スタッフの方々は優しく細やかに教えて下さった。

我らのテーブル仲間の出来上がり作品がこれ。
上のが私ので、小さく不恰好だ。
飛び出している輪はフックに引っ掛ける役目を果たす。

 

さてさて、海藻アートグループの進行状況は?と思い、二階に上がってみた。
そこは磯の香りがプンプン。
生の海藻が海水に浸っていた。

 

それを手で取り上げ、特殊用紙に貼り付けていた。
枝ぶりと配色に苦労しているような気がした。
でも、楽しそう。

 

16:00近くになって、全ての予定は終了。
皆に渡された材料残りがプレゼントされ、意外でもありながら嬉しさがあった。

 

バスは17:15にJR函館駅横に着いた。
事故もなく、楽しく過ごさせてもらったのは、NHKスタッフを始めとする皆様のおかげ。感謝、感謝。
「ありがとうございました」の言葉とともに下車した。 

 

※短い旅を終えて

お笑いを誘う「ふるさとシリーズ」や、歌謡ショー的「BS日本のうた」の公演観覧は、それはそれで人気があると思う。

今回の行事は、「考えさせられる」点において有意義だった。
バス往復に加え、これまでのNHKにない変化に富んだ番組編成に好感を覚えた。
実施にあたっての入念なる下調べ、関係者との協議などのご苦労が窺えた。

残念だったのは、
①評価を急ぐあまりのアンケートの集約方法。
あれでは民間旅行会社の方式と全く変らない。
参加者が落ち着いてからの後日発送集約が好ましい。
返信率は少ないかも知れないが、内容濃い結果が得られると思うのだが。
②引率責任者は「ロハス」の意味を、参加者に説明する義務があると思う。意味を質問したが、勉強不足のギブアップ。傍にいたお若い女性職員?にSOSを求めた姿は、とても情けなかった。

こんな長い文章と多数の写真入りのブログは初めて。
根底には、ラジオ、テレビの番組モニターとしての心の体制が残っているような気がする。
お疲れさま、ご苦労さまでした。