週に一日開いている、なんだか不思議なお店。
大草原の片隅に、ぽつんと立ってる二つのお家。
一つは幼稚園。
もう一つは、ここ、喫茶店。
窓辺からは、木々たちの、枝、枝、枝。
喫茶店は、おかしな家族がやっている。
扉を開けると、男の子が
「こんちわ」
と、絹のマントをひらひらさせて、
段ボールのおもちゃを作りながら、あいさつする。
そうかと思えば、だだだ、と、二階に駆け上がり、
ハーモニカ吹いている。
店主は詩人で、ひげボーボー。
やってる畑は草ボーボー。
見かけによらず、お菓子が旨い。
奥さんは、一歳の赤ちゃんおんぶして
どうぞ、どうぞ、と勧めてくれる。
ここの娘さんは、隣にある「ナーサリー」
という幼稚園に通ってる。
シュタイナー幼稚園というそうだ。
お手伝いが大好きで、前日からエプロン着て、いらっしゃいませの練習。
でも、お店の日、なぜか子供部屋でマッサージ屋さんを開店している。
ときどき、「アッポーペン」とつぶやいている。
お菓子が旨いと評判で、
食べてるとチャネリングしちゃうって、冗談なのか、本気なのか
アート系の人はみんな言ってる。
しかも、オーガニックなだけでなく、ビーガンだということで、(ビーガンってご存知?)
地球を癒すにはもってこい。
(からだも、動物も、地球もしんどくならない美呆のお菓子)
食べながら、地球に癒しの波動を!!
ところで、喫茶というからには、珈琲もだしてるこのお店。
自家焙煎でやってるらしいよ。
しかもね、無農薬のコーヒー豆。
いい感じのこげ茶色に焙煎するのは難しいって、ボーボー店主が言ってたよ。
今のおすすめは、東ティモールの豆が美味しいってさ。
(どこさ、東ティモールって?)
店のカウンターには詩集がずらり。
あんまり手にとる人はいないけど、
詩集の装丁が絵みたいだね。
タイトルもいいね。「けさの陽に」(新川和江)とかさ。
ひょっとして
ポエトリーリーディングとかやってるの。
もうすぐ始めるってさ。
ボーボー店主の夢なんだって。
そういや、2月から、小さなお話し会やってるって。
グリムとか、おとぎ話を、素話でやるんだって。
え、素話ってなに。
本を見ないで語るってやつだよ。
すごくない?
ボーボー店主、言語造形やってるらしいから、けっこう面白いんだって。
へー、言語造形。
いいねえ。行ってみたいねえ。
何時から?
午後、3:45分から。
さん、よん、ごー、で覚えてねって。
よっっしゃ、明日、予定空いてる。行こう行こう。