秋の風を感じてるキナコ前にも書いたけど寅さんが好きだ。あのチャラチャラりラーという主題歌を聞くだけで涙が出そう。ただし40作まで。41作のウイーンに行くあたりからちょっと気持ちが離れて、43作の寅さんと満男の恋二本立てとなってからのは好きになれない。いや、見ましたけどさ。
寅さんの恋は何にもどこにも所属することなくただ恋である。自由が許されるところにある恋である。満男は違う。どこかに属すること、何かに認められることを切望しつつの恋である。ああ、釣りバカ日誌の浜ちゃんが好きじゃないのはここ。会社員であることに身を寄せているのに釣り三昧で結局は三方ヨシなどという生活が成り立ってるところ。
「男はつらいよ おかえり寅さん」 日本 2019年 ★★
監督 山田洋次
主演 吉岡秀隆
物語は諏訪満男の妻の七回忌の法要から始まる。団子屋くるまやの店舗はカフェに生まれ変わり、仏壇にはおいちゃん・おばちゃん・満男の妻の遺影が並ぶ。寅さんのはない。今日は満男妻の七回忌。法事のあと、寅さんがマドンナを連れてくるたび、家中が大騒ぎだったことなどの昔話に花が咲く。満男は、長い間サラリーマンをしていたがその合間に書いた小説が認められ小説家になっていた。
そんなある日、満男の最新作の評判がよくサイン会をすることになる。その列の中に初恋の人、及川泉の姿があった。ヨーロッパで生活している泉は仕事で来日し、偶然サイン会に参加したのだった。泉に再会した満男は、小さなJAZZ喫茶に彼女を連れて行く。店のママは昔、奄美大島で会った寅の恋人のリリーだった。懐かしい思い出、優しい人々。ああ、思い出は美しい……って、なるかーい!!
なんじゃそれ。いや、後藤久美子は中年になっても美しいですよ。そりゃ満男クン、フラフラもしよう。ですが、それしたらいかんのやないの。これを純愛ストーリーととらえるなら山田洋次監督、失敗やと思う。満男と泉、その箱に鍵をかけたなら開けてはいかんのよ。大事にしている思い出ならばますます閉じておかんといかんやったのよ。私が七回忌を迎えた嫁なら化けて出るね。いや、亡くなったあとにあった人なら構わんよ。頑張れ満男、って言える。やけど、これはダメなヤツよ。
寅さんファンは多いと思うけど、評価はどうやったんかな。だいたい本人は亡くなって久しいのに映画を撮るってどうなの。49作もそうやけど没後に撮ってもいいんかな。何がなんでも50作までというエゴじゃないのかな。と、あまり納得できない寅さんでした。
ちなみに一番好きなのは11作目の浅丘ルリ子編。


