南九州に続いて北九州も梅雨が明けたんじゃないかっていうくらいの暑さ。KBCシネマまでは駅からちょっとあるので汗ダラダラしながら歩かんといかん。見たい映画は全部ソラリアシネマに来たらいいのに。
「キッズ・オールライト」 米国 2010年
★★★
監督 リサ・チョロデンコ
主演 アネット・ベニング
18歳のジョニ(ミア・ワシコウスカ)は大学進学を控える優秀な女の子。彼女には、15歳の弟レイザーがいる。両親は医者であるニックと家事をこなすジュールス。普通の家庭と大きく違うのは両親は二人とも母親であるということ。(アネット・ベニングとジュリアン・ムーア)そうして父親は精子提供をした同じ男性であるということ。
四人家族として仲良く、楽しく愛情に満ちた生活を送っていたが、ジョニは進学で家を離れるのを前に、弟と自分の医学上の父親・ポール(マーク・ラファロ)に興味を持ち、レイザーと共にこっそり会いに行くことに。ポールの登場で、穏やかだった家族の間に軋みが生まれ始める。
働く母は自分だけが忙しいとピリピリし、家を守る母はやりたいことも諦めて家族に尽くしたと泣き、娘は優秀な娘を演じてきたんだからもう放っておいてと宣言し、弟は優秀な姉の後ろで立ちつくす。そして、突然に登場した医学上の父は俄然家族が欲しくなる。そこにあるのは、込み入ってない家族も込み入った家族も変わらない、悩みや迷いや、大事な人への思いだ。
後半、大きな問題が起きちゃうんだけど、私としてはこの問題は気に入らんなあ。これが他の問題だったら★4つにしたかも。アネット・ベニングの父母親ぶりが素敵だし、ジョニちゃんがキリッと可愛い。彼女は「アリス・イン・ワンダーランド」のアリス役の子。
こういう家族もありか、と驚きつつ、ああこれでもオールライトなんかあ、と思い直す映画。地味だけど滋味あり。